WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX

ビットコインのデルタニュートラル運用とは 現物×先物ヘッジで安定利回りを確定する仕組み

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
※このページには広告・PRが含まれます

この記事のポイント

  • 現物BTCと先物ショートを組み合わせたデルタニュートラル戦略の仕組み
  • 4ヶ月弱で1.70%・年率換算5.40%の利回りを確定させる計算例
  • 先物価格の形成原理(funding rate・コンタンゴ)を理解する

ビットコイン現物と先物を利用する

仮想通貨市場では現在、株や為替など他の投資商品と同様に様々な種類の商品が出てくるようになりました。

2017年の仮想通貨バブルまでは現物とレバレッジ取引やFX取引のみで、日本ではレバレッジ取引が全体の取引高の9割を占めるようなマーケットでした。取引参加者もほとんどが個人投資家でしたが、現在は機関投資家の割合が増加しつつ、商品の多様化が進むようになっています。

その多様化した商品の一つに「先物取引」が登場しました。ここではその先物取引を利用して安定して利回りを得る手法をご紹介したいと思います。

現物取引と先物取引の違い

取引種別 概要 決済タイミング
現物取引 「今」の価格で売買し、すぐに仮想通貨の受け渡しを行う T+0(当日)〜T+1(翌日)
先物取引 先日付の価格を売買する。将来の特定日に決めた価格で売買を約束する予約注文 限月(例:9月25日)

先物価格から予測できるのは、投資家が「将来」の時点で価格が上昇方向で予想しているのか、下落方向で予想しているのかということです。

先物取引は、価格を先日付でロック(確定)させたいマイニング業者や投資家がヘッジ手段として利用することが多いですが、実はこれを利用して確実に安定した利回りを得る方法があります。

その方法を次からご紹介していきます。

仮想通貨を利用した安定利回りを得る手法とは

対象となる投資家:仮想通貨(ビットコイン)を現物で長期間保有する人(予定の人)
注意:1ヶ月程度の短期で引き出す可能性のある投資家は利用できません

取引所は、限月がある先物商品を取り扱っているところであればどこでも可能な取引手法です。またロジックもシンプルであるため、簡単に行うことができます。

BTCスポット価格と先物価格の比較チャート

▲ スポット価格8,834ドル(青ライン)に対し、2020年9月25日限月の先物価格は8,984.5ドル

例として、投資家が現在2BTCを保有しているとします。このBTCは、完全に長期保有目的で保有していると仮定します。現在投資家が抱えているリスクは「BTCの価格変動リスク」ということは誰でも理解できるでしょう。

では1BTC=100万円として、100万円分から200万円分の仮想通貨を入金するようにします。そして9月25日の先物価格である8,984.5ドルで2BTC分のショートポジションを構築します。

デルタニュートラル構築の3つのポイント

POINT 1
価格変動リスクをヘッジ:先物ショートでBTCの価格変動リスクを相殺。上昇時のリターンはなくなるが、下落リスクも消える。
※スポット価格を先物でヘッジするためフルヘッジではない
POINT 2
キャリーコストがゼロ:BTCを現物で保有するためFXのスワップコストに相当するキャリーコストが発生しない
POINT 3
先物はレバレッジ対応:先物ポジション構築にはレバレッジを使えるため、現物と同額の証拠金は不要。
推奨レバレッジ:最大2倍。100倍ショートは1%の値動きでヘッジが外れロスカットのリスクあり

このポジションを構築することで瞬時に9月25日までのリターンが確定します。9月25日は8,984.5ドルで売ることになるため、もしも現物を8,834ドルで購入できていたら、その差額が確定する利益になります。

利回り計算

(8,984.5 − 8,834)÷ 8,834 × 100 = 1.70%

保有期間
約4ヶ月
期間利回り
1.70%
年率換算
約5.40%

このデメリットとしては、ポイントで記載したように「ビットコインの上昇によるリターンが享受出来ない」ということです。そのため、ビットコインを現物として決済用に利用したりする投資家がいれば、とても優れた手法と言えるでしょう。

マイニング業者は、この手法である程度価格変動リスクをヘッジしながら少しずつコストを回収しているはずであり、現物は常に一定量持っておかないといけないニーズがあるのであれば、色々な先物市場を見ながらこの手法を利用することで、年間5%超ブレークイーブンを低下させることが可能になります。

また先物価格は上記の利回りで常に確定しているわけではなく、投資家のポジションの傾きによって大きく変化します。そのため値動きの激しいところを上手く取っていき、より高いリターンを享受することも可能です。

先物価格の形成はどのようになっているのか

最後にリターンの源泉ともなる「先物価格の形成方法」について解説します。

伝統的なアセットクラスの先物価格

現物価格 − 保有期間の収入(配当金等)+ 金利等の調達コスト


仮想通貨の先物価格(保有期間の収入なし)

現物価格 + funding rate(調達コスト)

funding rateというのは相場の需給を表している数字です。ロングポジションに全体のポジションが偏っていればfunding rateはプラスとなり、ショートポジションに全体のポジションが偏っていればマイナスとなります。

+ Funding Rate プラス:ロングポジションが過多 → 先物価格がスポット価格より高い(コンタンゴ)→ ショートが有利
Funding Rate マイナス:ショートポジションが過多 → 先物価格がスポット価格より低い(バックワーデーション)

限月のある日付の価格(上記の場合9月25日)を金利から逆算して計算したものが、理論上の先物価格になっています。あくまで理論価格のため、実際にマーケットで取引されている先物価格がこの理論価格と一致するわけではありません。しかし仮想通貨の場合、先物価格は「市場のポジションバランス(funding rate)から成り立っている」ということを知っておくだけでもいいと思います。

このように使い方によっては安定した利回りを得ることができる手法が仮想通貨には存在します。これは一例に過ぎず自分自身で疑問を持ち、調べていくことで新たな手法が見つかるようになります。仮想通貨というものを上手く利用することで資産運用を効率的に行いましょう。

本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。

CoinPost App DL