英中銀とスウェーデン中銀が仮想通貨リブラに肯定発言、国の事情で温度差も
- 英中銀、スウェーデン中銀の総裁 リブラについて温度差のある肯定感を示す
- イングランド銀行総裁とスウェーデンの中央銀行総裁が、異なるメディアでリブラに対して肯定的な意見を述べたが、両国の事情を反映する温度差も表している。
スウェーデン中銀の姿勢
イングランド銀行総裁とスウェーデンの中央銀行総裁が、異なるメディアでリブラに対して肯定的な意見を述べたが、両国の事情を反映する温度差も表している。
RiksbankのStefan Ingves総裁は、CNBCのインタビューに出演し、「リブラの出現は、極めて大きな刺激材料となった」とその衝撃に触れ、「金融業界のことを今一度真剣に考え直す機会となった」と付け加えた。
スウェーデンは、クレジットカード決済率が他国よりも突出して高く、現金払いを受け付けない店舗もあるほどのキャッシュレス先進国だ。2016年時点のGDP比での現金流通量は、日本の19.9%に対し、スウェーデンでは1.4%に過ぎない。2021年中に、法定デジタル通貨「e-クローナ」の導入を目指すなど先進的な取り組みも講じている。
電子マネーと電子決済(キャッシュレス)の普及率・使用率が非常に高いスウェーデンにとって、リブラは親和性の高いものであると思われる。
英中銀の姿勢
一方で、同日カナダのStar紙が、イングランド銀行Mark Carney総裁が、議員から「なぜ(Facebookのような)ソーシャルメディア企業がリスクを伴う(リブラのような)プロジェクトに関わるのか?」と問われ、以下のように述べた。
高い送金コストと長い処理時間が特に小規模ビジネスを苦しめているこの時代の流れとして良い傾向ではない。このような決済は、瞬時にしかもオンラインで紙幣を交換できるようにするのと同じようなものでなければならない。この問題には様々な解決策があるが、イギリスは、いくつかの主要新興経済圏や先進国に対し、自国のオンライン決済水準を引き上げる必要がある。
同総裁は、「進展するかしないかは、ソーシャルメディアによって決められるべきではない。プロジェクトを立ち上げて稼働してからどのように規制するかを考えるような事案ではないという事だ。適切な法整備が整った上で、監督下におかれるか、全く立ち上がらないかのどちらかである。」とも言及している。
英 EU離脱問題(ブレグジット)や国際貿易摩擦の行方が不透明なイギリスは、5日前にイングランド銀行がリブラに係る特別条項を発表し、リブラ協会からの情報提供やリスク管理・対策を求めている。
参考:CNBC
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