ロシア、中国、インド版SWIFTとは、ブロックチェーンの技術利用も視野
- ロシア、中国、インド版SWIFTにXRP利用の期待
- ロシア、中国、インドが開発する独自の送金ネットワークに可能性に注目が集まっている。米国の経済制裁に対し、ロシアは独自の送金システムを開発している。
ロシア、中国、インドはSWIFTの代替となる独自送金ネットワークを開発
ロシア、中国、インドが独自に開発を行うSWIFTの代替となる送金ネットワークに、ブロックチェーン技術が利用されるのではないかと注目が集まっている。
SWIFTとは国際送金システムで、ベルギーに本部を置き、貿易や国際間の資金決済などのインフラとして機能してきた。より正確にはSWIFTは金融のメッセージングプラットフォームであり、現在、日本を含む世界200カ国以上の金融機関で利用されており、銀行間の国際送金システムとして大きなシェアを占めている。
それに対してロシア、中国、インドといった国々はSWIFTを使わずに独自に送金システムを構築するという路線を取ってきた。
米国主導の国際送金網に危機感
この動きの背景の1つには、アメリカがロシアに対する経済制裁の一環として、ロシアをSWIFTのネットワークから締め出すことを示唆していることがある。
世界中で広く使われているSWIFTの決済網から追い出された場合、当該国の企業が行う国際間での商取引などの送金プロセスに影響がおよび、その経済的なインパクトは非常に大きいものと容易に予想される。
また、米国がこのような制裁手段を利用することに対しては、現在、世界で広く普及しているSWIFT自体の優位性を失わせるとして批判の声も大きい。
いずれにせよ、米国に対して政治的に対立関係にある国は一様に、国際間の送金システムが米ドル、米国主導で行われているという、国際間の取引において米国に首根っこを抑えられているような状況に強い危機感を持っているといえる。
以上のような事態を背景として、ロシアでは2014年ごろよりロシア中央銀行によって『SPFS』と呼ばれるSWIFTに替わる送金システムが開発されている。
現在はロシア国内のみで利用されている『SPFS』だが、今後、同じく中国主導で開発が進む国際銀行間送金システム(CIPS)や、インド、イランといった国々の送金ネットワークとの連携、統合も視野に入れていることが報じられている。
国際銀行間送金システム(CIPS)もまた、中国が開発を主導するプロジェクトで、開発の背景にはロシアと同様に米国に国際間決済インフラの主導権を握られていることに対する危機感があると見られる。
リップル社との関連について
同じく国際銀行間決済システムを提供する企業として米リップル社がある。
先に挙げたSWIFT,SPFS,CIPSはあくまでも送金の注文を取り扱うメッセージングサービスであるのに対し、リップル社のサービスは送金自体を行うため、既存インフラに比べ、コスト、確実性といった点で優位性があるとされる。
先日、送金サービスを提供するXpress Moneyが同じくペイメントサービスを手がけるテック企業のGeoSWIFTと提携し、中国市場に進出することが発表されたが、リップル社のパートナー企業の関係から、GeoSWIFTとリップル社との間で協業関係があるのではないかとの見方も浮上している。
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