米仮想通貨ビットコインマイニング企業、テキサス州で事業開始 ハッシュレートの30%を狙う
テキサス州でマイニング事業を開始
米PayPalの共同創業者でもあるPeter Thiel氏が支援する米ビットコインマイニング企業Layer1 Technologyは、米テキサス州で正式に採掘事業を開始した。計画発表から4カ月後のスタートとなる。
米サンフランシスコを拠点にするLayer1 Technologyは、オンラインマイニングコンテナを複数持ち込む。それぞれ2.5メガワットの発電容量で、テキサス州の高温な気候への対策として、液体冷却技術も活用できる。
現在のマイニング施設の正確なキャパシティは明らかにされていないが、数カ月以内には発電容量を最大100メガワットまで上げるとみられている。それによって、BTCネットワークの全ハッシュレートの2%超を占めることになるという。
同社CEOは、現在の施設以外にも場所を確保し、2021年の終わりまでにハッシュレートのシェアを30%まで拡大したいと説明。実現すれば、BTCの全マイニングプールをしのぐシェアになる。F2PoolとPoolinのマイニングプールのシェアは、現在それぞれ約18%にとどまる。
米国のBTCマイニング復権のため、今回Layer1 Technologyはマイニング事業の地にテキサスを選んだ。現在65%のシェアを誇る中国に対抗する。中国を拠点にするBitmainやMicroBTといった企業から直接購入するのではなく、自社でマイニング機器の設計・製造も行っているという。
コンピュータチップには韓国を拠点にするSamsung Foundry社のものを使う。10nmのチップだが、TSMCの7nmと同程度の性能。一般的には、コンピューターチップは小さい方がより多くコンピューターで利用することができるため、その方がコンピューターの能力が高まるとされる。
Layer1 Technologyのマイニング機器を用意できるのは2020年中期になる見通し。現在は他社の製品を利用しているという。
競争が激化するマイニング業界
5月に予定されるBTCの半減期に向けて、既存のマイナーや投資家には新しい動きが見られている。
テキサス州は気温が高く、マイニング機器のメンテナンスが大変だが、マイニング大手2社BitmainとNorthern Data AGも、電気代が安いメリットを利用しようとテキサス州でマイニング事業を開始している。
Bitmainはテキサス州ロックデールに50メガワットの施設を建設。将来的に300メガワット以上の出力まで拡張可能だ。Northern Data AGもデータセンター運営企業Whinstone USと組み、最終的に1ギガワットにもなる世界最大規模の施設を建設している。Layer1 Technologyがハッシュレートのシェアの30%を占めるとなると、そのキャパシティは1000メガワットを超える計算だ。
Layer1 Technologyは、Thiel氏以外にも、仮想通貨(暗号資産)及びブロックチェーン特化型ベンチャーキャピタルDigital Currency Groupらから出資を受け、5210万ドル(約58億円)の資金調達に成功している。
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