7000ドル突破のビットコイン相場、半減期後が本番なワケ
仮想通貨相場、半減期後が本番なワケ
仮想通貨市場は、大幅反発。ビットコインが米ドル建て7000ドルを突破し、日本円建て80万円まで急伸。(bitFlyer)アルトコイン市場も連れ高で2位イーサリアムが18000円、3位XRPも20円の大台を再び上回り、大幅反発した。
週明けから日経平均やダウ工業株30種平均も大幅に続伸。感染拡大の先行き不透明感を嫌気していた米株式市場も急反発したことで、リスク選好姿勢に繋がったこともビットコイン市場の買いを支えた。
また、金先物相場も3日続伸。中長期で、世界的な金融緩和の流れに再び意識も向きつつある。ニューヨーク商品取引所(COMEX)では、午後の時間外取引で一時1715.8ドルと、中心限月として2012年12月以来ほぼ7年4カ月ぶりの高値を更新した。
株式市場も落ち着きを取り戻しつつあるほか、3月末の期末決算も終えたことで、世界的なドル需要にも一服感がある。
歴史的な世界株安の影響で、一時売り込まれた金が再び高い水準で買い戻されている状況は、中長期目線のビットコイン市場で材料視されるとの見方も強い。
金利がつかない金は、米国金利との逆相関の関係にあるが、米連邦準備制度理事会(FRB)など中央銀行の金融政策でゼロ金利を復活したことで、デメリットが相殺された。
また、過去最大規模の大型経済・金融政策を矢継ぎ早に出したことは、停滞する経済活動の活性化を促す一方、量的緩和に伴うインフレーションで物価が上昇すれば、相対的に現金(預貯金)の価値が目減りする懸念もある。
インフレ局面で資金の集まりやすいゴールドやプラチナなどの貴金属同様、「有限供給量」のビットコイン(BTC)が、中央集権的かつ、ある種「無限供給量」の法定通貨に対してアンチテーゼとなり得るか、価値の保存手段として分水領にあると言えよう。
急落前価格(2/19) | 現在価格 | % | |
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S&P500 | 3393ドル | 2676ドル | 78%水準 |
日経平均株価 | 23738円 | 18576円 | 78%水準 |
金 | 1703ドル | 1669ドル | 98%水準(回復) |
ビットコイン/td> | 10315ドル | 7303ドル | 70%水準 |
資金フローから見るBTCの価格帯
仮想通貨ビットコインの中長期的相場推移を「ストック・フロー比率(S2F)」のモデルで分析する著名アナリスト『PlanB』は、半減期後のBTCが7000ドルを維持するための資金流入(インフロー)について考察した。
これまでの資金フロー
PlanB最新の分析によると、2017年10月以来、7000ドルの価格ラインを維持するために、ビットコインは過去2.5年間において月平均で4億ドルの資金流入を要していた。
具体的にな計算式は、「30日x24時間x6ブロックx12.5BTC(採掘報酬)x7ドル」。ここでいう資金流入とは、仮に一ヶ月の間ビットコインが7000ドルを維持している場合、合計でトレーダーや投資家がその価格でビットコインへ投資した最小限の流入金額に相当する。
つまり、7000ドルを一ヶ月間維持させるためには、全体で投資家は少なくとも4億ドルを市場に入れる必要がある。(取引自体はゼロ和と仮説される)
一方、ビットコインの報酬が半減期した後は状況が大幅に変化する。同じ一ヶ月において、7000ドルを維持させるためには約1.9億ドルと大幅に減少する見込みで、この点が市場価格を上向かせると多方で指摘される需給変化のポイントだ。
PlanBは、維持費用にあたる資金流入が本来の4億ドルから半減すれば、市場における負担も軽減すると説明。言い換えれば、「仮に本来の4億ドルという資金が今後も安定した形で流入していけば、半減期後のビットコインには2倍以上の資金という燃料によって支えられることになる」と予測している。
資金流入の方法論に関して、PlanBはこれまでの歴史的推移をデータで示す。2009年から2020年現在まで、各重要価格帯の月平均の資金は以下のようになっている。
- 2009-2012:約100万ドル
- 2012-2016:約3000万ドル
- 2016-2020:約4億ドル
基本的に市場の流入資金に伴い価格が決定される市場では、このままの流入水準を維持することで、現在の7000ドル水準はゆうに超えてくると指摘した。いわゆる、「半減期前は材料を織り込む価格上昇、半減期後は需給変化に伴う価格上昇」と呼ばれる後者のパターンだ。
半減期に向けて明確な価格上昇が見られていないビットコイン市場では、半減期への期待薄感が否めない状況だが、実際の流入資金ベースでの計算では、新たな高値10万ドルも視野に入ると、PlanBは予測した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します