中央銀行デジタル通貨が米ドルの覇権を弱める可能性、JPモルガンレポート

CBDCの脅威とは

米最大手銀JPモルガンのレポートによると、世界でデジタル通貨(CBDC)が発行されれば、米国の経済的覇権は最も打撃を受け得る。

JPモルガンのデリバティブアナリストは、中国の中央銀行を含め一部の国がCBDCの研究開発を積極的に進めているため、仮に発行され実利用されれば、米国の地政学的な勢力が揺るがされる可能性が高いとしている。

現時点では米ドルの世界準備通貨としての影響力が弱められる公算は低いが、今後、他国がデジタル通貨を利用した新しいクロスボーダー決済ソリューションや貿易金融システムを導入すれば、現行の国際送金ネットワークSWIFTを含む米ドルシステムを弱体化する懸念は考えられるという。

これまで、米ドルで世界の準備通貨を発行し、コモディティや製品の国際貿易における交換手段を提供している米国にとって、計り知れないアドバンテージをもたらしていたが、別の国がデジタル通貨でこの秩序を乱せば、米国には不利益が最も多いだろう。

レポートで、特に米国を中心とする高所得の国にとって、デジタル通貨は「地政学的な勢力のリスクマネージメントの執行」に当たる、と結論づけた。

参考:ブルームバーグ報道

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