「ブロックチェーンは第四次産業革命の支柱」世界経済フォーラムがブロックチェーン業界の原則を起草

世界経済フォーラム、ブロックチェーン原則を発表

世界経済フォーラム(WEF)のグローバルブロックチェーン評議会が「分散化された未来を築く価値原則(Foundational Values for a Decentralized Future)」と題した文書を発表した。

法的拘束力はないものの、ブロックチェーン業界の理念として参照される文書となることを目指しており、すでに会計事務所のデロイトやイーサリアムの主要開発関連企業ConsenSysなど著名機関が署名済だ。

その前文では、以下のように述べている。

第四次産業革命の支柱であるブロックチェーンテクノロジーは、公共セクターと民間セクターを横断して抜本的に様々な事項を改善し、世界中でセキュリティ、説明責任、透明性を高めることに役立つ新しいビジネスモデルと管理モデルを実現する。

ただし、十分なガバナンスやユーザー保護なしで行われるイノベーションは、多くの場合、個人、企業、組織、社会全体にとって望ましくない結果につながる。

蒸気機関が発明された第一次産業革命、重工業への転換が起こった第二次産業革命、インターネットが誕生した第三次産業革命に引き続く、抜本的な変化をブロックチェーンは産業にもたらし得ると指摘しつつ、ガバナンスの必要性を訴えている。

このため、評議会はブロックチェーン参加者の権利が守られるためのベースラインとなる原則を起草した。

デベロッパー、政府、国際組織、企業、政策立案者などの関係者がこれらの理念を守り参照することを期待するという。ただ法的拘束力は持たず、原理としてそれぞれの参加者が自発的に署名するものだ。

ブロックチェーン原則の内容

評議会の起草した原則は、4つのカテゴリーに分類されている。

  1. 透明性とアクセス可能性
  2. プライバシーとセキュリティ
  3. 主体性と相互運用可能性
  4. 説明責任とガバナンス

「透明性とアクセス可能性」では、ユーザーがサービスシステムのルールや潜在的リスクなどを理解すること、「プライバシーとセキュリティ」では、ユーザーのデータが保護され、ユーザーがデータへのアクセス可非を選べること、国際的な技術基準によるセキュリティが提供されることなどが挙げられている。

「主体性と相互運用可能性」では、ユーザーが自分で秘密鍵を作成、管理、保管できることや、相互運用可能なシステム間でデータを転送することが取り上げられた。

「説明責任とガバナンス」に関して、ユーザーが必要に応じて、不正確、または不完全なデータを修正できることなどが記載されている。

署名者は、この原則に署名していることをウェブサイトに明記したり、ハッシュタグ#PresidioPrinciplesを使用して、原則をどのように実装しているかを示すこともできるという。

すでに、コロンビア政府、デロイトコンサルティングLLP、ConsenSys、Electric Coin Company(ジーキャッシュ関連企業)、CoinShares(仮想通貨ファンド)、国連の世界食糧計画など著名企業や公的機関も署名している。

参考:世界経済フォーラム

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