
大口のビットコインが移動
14年以上動かなかった合計86億ドル(約1.2兆円)相当の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)が、8個のアドレスから移動したことがわかった。複数のブロックチェーン分析企業が5日に報告した。
Lookonchainの報告によれば、ビットコインの合計数量は8万0,009BTC。なお、今回の移動の理由や保有者は明確にはなっていない。
本記事執筆時点では、8個のアドレスからビットコインが動いたというのが最新情報で、これが報告されたのが5日である。一方で、ビットコインが動き始めたのはそれよりも前で、例えばLookonchainは4日時点で14年以上動いていなかった1万BTCが動いたことを報告していた。
単純な資金管理の一環の場合もあるが、大口で特に何年も動いていなかった仮想通貨が移動すると、取引所に送金されて売却されるのではないかと投資家は警戒する。
ビットコインは3日に11万ドルを超えた後、本記事執筆時点では10万7,000ドル台まで値を下げているが、今回の移動による投資家の警戒感も影響している可能性がある。
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一方、CryptoquantのリサーチャーJulio Moreno氏は今回の資金移動についてこのように見解を述べた。
これは初期のマイナーによるものだと思う。取引は古いブロック報酬に関するもので、パターンから見ると異なるブロック報酬の統合が行われているようだ。最近の取引は、小さなUTXOを1つの大きなUTXO(10,000 ビットコイン)に統合するために行われただろう。
まだ売却の証拠はない。
14年前のビットコイン価格
今回の8個のアドレスは1つの主体によって管理されているとLookonchainやArkhamは分析している。
Lookonchainによれば、これらのアドレスの内2個は、ビットコインの価格が0.78ドルだった2011年4月2日に、合計2万BTCを受け取っていた。これらのビットコインの合計の価値は当時の1万5,600ドルから現在は21億ドル超に増えている。
また、残りの6個のアドレスは、ビットコインの価格が3.37ドルだった2011年5月4日に、合計6万0,009BTCを受け取っている。このビットコインの合計の価値は、当時の20万ドル超から現在の65億ドル超に増えた。どのアドレスもこの時からビットコインを動かしていなかったという。
4日には、初期投資家であるクジラ(大口保有者)が過去1年間で50万BTC以上(時価8兆円以上)を売却していることをブルームバーグが報じていた。
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