ブロックチェーンを国家戦略へ
米国で19日、ブロックチェーンを国家戦略にするよう求める法案が提出された。
本法案はブロックチェーン技術について、商務省と連邦取引委員会に調査を行うよう要求している。法案が通れば2年以内に調査行い、調査完了から半年間で議会に調査結果を伝える必要がある。
今回法案で求めているのは、国家レベルでのブロックチェーンの活用、技術導入のメリットとデメリットの洗い出し、企業での利用の推進、またリスクを最小限に抑える対策や法的な枠組みの作成などだ。
米国では以前から、ブロックチェーンを活用しようとする動きは確認されている。今月に入ってからも、ブロックチェーン投票を検討する動きやドローン業界での活用を探る動きがみられた。
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米国に限らずブロックチェーン技術を利用しようとする国は多く、その汎用性の高さから導入を探る業界も幅が広い。日本でも3月、新経済連盟と日本ブロックチェーン協会が協力し、「ブロックチェーン国家戦略に向けた提言(事例分析編)」をIT担当大臣及び経済産業大臣に提出した。
米国の法案提出については、技術導入のメリットだけでなく、中国に先行されていることが背景にある。今回の法案を提出した議員は、法案の発表に際し、中国に負けてはいけないと明言している。
中国では昨年10月、習近平国家主席が国家としてブロックチェーン技術の開発・利用を推進すると発言してから、取り組みが一気に活発化した。先月25日には、国家ブロックチェーン・プラットフォームである「BSN(ブロックチェーン・サービスネットワーク)」をローンチしている。
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参考資料 : 米法案