ビットコイン先物出来高は前月比-40.3%、対照的にイーサリアム基盤市場が急拡大するワケ
暗号資産(仮想通貨)市況
今年6月のビットコイン現物市場の出来高は、前月比-31.9%、先物出来高は-40.3%以上減少した。 CoinPostと提携するTheBlockが報じた。
ビットコイン先物の月間取引量は、半減期を迎えた5月に5570億ドルだったが、6月は3300億ドルまで落ち込んだ。
中央集権型取引所(CEX:Centralized Exchange)のビットコイン出来高減少と反比例するように市場規模を拡大させているのが、イーサリアムベースの分散型取引所(DEX:Decentralized Exchange)だ。
イーサリアム(ETH)の分析サイト「デューン・アナリティクス(Dune Analytics)」のデータによれば、DEXの出来高は、前月比70%以上の15.1億ドルを記録した。この数値は、今年3月の過去最高値を46%も上回る。
6月中旬にCOMPの「イールドファーミング(yield farming)」が開始された後、貸付プロトコルはBTCのロックを9,000万ドルから5億7,000万ドル以上まで増加、2週間で533%急増した。ビットコイン(BTC)を担保としてデポジットし、イーサリアム(ETH)のERC20トークンに替える動きがみられる。
イールドファーミング(イールドマイニング)は、イーサリアム(ETH)環境でのDeFiの比較的新しい概念だ。DeFi環境のトランザクションを介し、資本効率を最適化。可能な限り高い金利をリターンとして残すことができる。
6月以降は、流動性および資産管理プロトコルの分散金融(DeFi)プロジェクト「Balancer Labs」によるガバナンストークン「BAL」を使ったイールドファーミングで、1,660 BTCを吸収。ネイティブプロトコルトークンを獲得するインセンティブが強く働いている。
仮想通貨融資サービスのCompound Labsによる「COMP」トークン配布が始まったことで、関連銘柄も高騰。DeFi領域の市場関心度が劇的に上昇し、ERC20トークンを交換するためのDEXプロトコル「Uniswap」や「Curve」などのAMM(Automated Market Maker)取引量の急増をもたらした。
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Compoundとは
Compoundは、仮想通貨マーケットとして機能する分散型オープンソース・プロトコルで、仮想通貨のレンディングサービスの利息収入や、担保によるローン組成などを可能にするプラットフォームだ。預け入れ量に応じた「cToken(権利を有するトークン)」を獲得し、ロックした仮想通貨に対する利回りは、需要と供給に基づき自動的に調整される。
ERC20規格のガバナンストークン「COMP」は、プラットフォーム利用者の貸し・借りに応じて配布されていくもので、この仕組みが利用者や供給量の大幅増加をもたらしている。6月23日時点で、Compoundのドミナンスは38.25%に達し、コントラクトにロックされた(DeFiサービスに預けられた)総額を示す「TVL(Total Value Locked)」は、5.77億ドル(約620億円)規模に達していた。
ビットコイン(BTC)市況
2日のビットコイン市場は、前日比1.1%高の99.6万円(9263ドル)と若干盛り返した。
6月以降の下落トレンドで下目線が増える中、上向いた75MAに支えられるようにして保ち合いを形成している。
リスクオフ局面で米株式市場との相関を強める傾向にある中、新型コロナウイルスのワクチン開発でポジティブな話が伝わったこともあり、S&P500種株価指数が3日続伸。ナスダック総合指数が史上最高値を更新したことも、リスク資産全般の値動きを後押ししている。
一方、1日21時15分に発表された、民間の雇用者数を示す6月の「ADP雇用統計」は、予想の+290万人を下回り+236.9万人に着地。金曜日が独立記念日でNY市場休場のため、労働省が発表する一大イベント「米雇用統計」は今晩21:30に控える点にも注目だろう。
さまざまな思惑が交錯しており、相場が乱高下する可能性もあるため注視したい。
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