ビットコインの追い風は世代間の富の移転か、投資企業の最新報告書
世代間の富シフトでビットコインも変わるか
投資家の世代シフトによって、ビットコインの価格も向上する可能性が指摘された。
投資企業Stack Fundsが最新のレポートで投資人口の世代変化とビットコイン市場の関係性について分析。結論として、ミレニアル世代(Y世代とも:26〜40歳)の投資家からの資金流入のさらなる増加がビットコインの市場規模を拡大し、時価総額を引き上げることができるとしている。
レポートによると、ビットコインの投資家は5割程度でミレニアル世代に該当する。経済的傾向として、ミレニアル世代はその以前のX世代(41歳〜55歳)、ベビーブーマー世代(56〜76歳)から富(財産)を引き継ぐことが加速している。その上に、経済的自由を擁護するといった観点から、ビットコインに富をつぎ込む公算が高いという。
そのため、「もとより先端技術に精通するミレニアル世代さえ投資に慣れるようになれば、主流的にビットコインに投資する規模になり得る」としている。
若年層投資家の投資傾向
米大手金融機関モルガンスタンレーが最近発表した調査によると、8割以上の投資家は高い社会意識を反映する投資商品を選んでいる。
ミレニアル世代の多くは最先端技術への高い関心度だけでなく、差別や気候変動といった社会問題に対する意識も以前の世代より高いため、今後仮想通貨が代表格となる「金融包摂」といった課題も、注目される分野になり得る、と調査で説明されている。
ブーマー世代もビットコイン投資に意欲的
世代間富のシフトでは、以前ビットコイン投信GBTCを提供する米大手ファンド「グレースケール」が今後25年間(2045年まで)に渡って、遺産相続など約68兆ドルもの富はミレニアル世代に引き継がれると試算。
しかし現段階ではX世代とブーマー世代のほうがミレニアル世代より圧倒的な資金力を持っている。
下図がイギリスの金融当局(FCA)が集計した世代別における仮想通貨投資傾向のデータだ。2019年・2020年ともに全体的にミレニアル世代の投資家が多かったが、より具体的にみると、2019年はミレニアル世代が中心となったものの、2020年ではX世代およびブーマー世代の投資人口が増えており、X世代のほうがリードしていることが確認された。
また、先日米サンフランシスコにあるビットコイン仲介業者「River Financial」はほとんどの資金流入はブーマー投資家によるもので、3月以来のビットコイン取引高の7割以上が同世代によって取引されていたと明かした。
本来株よりも低リスクの投資商品を好んでいたが、最近ではウォール街のヘッジファンドレジェンド ポール・チューダー・ジョーンズもビットコインの投資を行なっていることで魅了されたブーマー世代とX世代の投資家が増えている、と分析した。
さらに、米国ブーマー世代が平均資産率で、ミレニアル世代などの若年層に比べ、圧倒的な財力があり、その世帯貯蓄の中央値が40代未満の世代より数十倍高くい。ビットコインなどの新興投資への投資資金も余裕があるといった強みを持っている。
こういった世代が仮想通貨の投資に向き始めている状況は注目される動向となる。
参考:Stack Funds
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します