イーサリアム2.0、スケーラビリティ問題を改善するロールアップを識者が図解
数年かけイーサリアム2.0へ
イーサリアム2.0への移行に向けて鋭意開発が進むなか、その複雑な移行過程について、識者(trent.eth)が図解した。スケーラビリティソリューションであるRollups(ロールアップ)が、どのように関わってくるかについても説明している。
イーサリアムは現在、ネットワーク負荷上昇時のトランザクション詰まりやGas代高騰など、慢性化するスケーラビリティ問題の解決等を図るにあたり、イーサリアム2.0への移行を進めており、2.0ではコンセンサスアルゴリズムなど、ネットワークの核となる部分にも変更がある。
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まず、trent.ethの説明によると、重要なポイントとして、今のイーサリアムのデータ、DAppsなどはフェーズ1.5までは何も変化が加えられないという。
移行の各段階
フェーズ0
フェーズ0では、デポジットコントラクトに十分なイーサリアムが預けられたのち、ビーコンチェーンが既存のイーサリアムチェーンとは別にローンチされる。ビーコンチェーンのみなのでテスト段階の意味合いも強いとされる。
デポジットコントラクトは、イーサリアム2.0にてバリデーターになるためにイーサリアムを預ける(ステーキングする)コントラクトで、現在、監査の終了を待っている段階だ。
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フェーズ1
フェーズ1ではシャードチェーンが実装されるが、初めはデータを記録するのみのブロックチェーンになる。また、スケーラビリティのソリューションであるRollupsがこのフェーズでビーコンチェーンを活用する。
フェーズ1.5
フェーズ1.5で、イーサリアムのPoWやマイナーといった存在がPoSやバリデーターといった存在に取って代わられる。
フェーズ2
フェーズ2で、既存のシャードがトランザクションを実行する能力を得る。
これらの段階を経て、イーサリアム○○は最終的に、また単純に「イーサリアム」と呼ばれるようになるだろうとしている。trent.ethはこの解説について、あくまであり得る将来についてだとし、公式なものではないと注釈を加えている。
Rollupsとスケーラビリティ
レイヤー1とは、現在のイーサリアムベースとなるプロトコルでメインネットを指しており、レイヤー2は、イーサリアム上に構築されたプロトコル(スマートコントラクトプラットフォーム等)を意味する。
Rollupsは、「Layer2」のスケーラビリティソリューションと説明された。例えば、オプティミスティックロールアップ(OR)などが、スケーラビリティ問題を改善するプロジェクトとして、既にテストネット段階に踏み出している。
イーサリアム2.0は、スケーラビリティを改善することが目的の一つであるのに、なぜ「OR」のようなレイヤー2ソリューションが開発される必要があるのか?
この点については、イーサリアム2.0(ベースレイヤー)によってもたらされるスケーラビリティの改善が、2.0後のフェーズで実現するからだという。これだとスケーリングは事実上数年先の話となる。
そこで、イーサリアム2.0の初期の方の段階で実現される、「データ利用レイヤー」としての存在価値をRollupsが活用し、中期的なスケーラビリティ改善策を実現させるという趣旨が提案された。
イーサリアム共同創業者のヴィタリック・ブテリン氏は、過去の投稿で、以下のように結論をまとめた。
イーサリアムのエコシステムは、直近・中期の将来のためのスケーリング戦略として、rollups(とplasma、channelsもいくらか)に全集中することになりそうだ。
また、イーサリアムのレイヤー2スケーラビリティソリューションであるplasmaとは何が異なるのかという点については、OMGコミュニティのJoel Fostar氏が有用な図を公開している。
Rollupsは、スループット(トランザクション処理能力)を多少犠牲にする代わりに、スマートコントラクトをスケールするとされる。(ORの場合、EVMと互換性のある仮想マシン、OVMが実装される。)
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