「1万円のDeFi取引で意図せぬ手数料100万円」致命的なミスはなぜ起きたのか
操作ミスにより高額手数料が発生
あるDeFi(分散型金融)ユーザーが、誤って取引額の80倍にも及ぶ手数料を支払ってしまったとして、人気掲示板サイトReddit で助けを求めたことが判明した。
このユーザーは4日、大手分散型取引所Uniswapを利用して0.2955ラップドイーサリアム(WETH)を531カイガストークン(CHI)(120ドル相当)に交換した際、約105万円に相当する金額に及ぶ「23.5172ETH」を取引手数料として支払ったことを伝えた。現在の手数料平均額である0.0022 ETH(1.07ドル相当)よりもはるかに高額になる。
ミスの詳細
本人の投稿によると、この致命的なミスは手動で価格入力した際に発生した。
一つ前のトランザクションで、メタマスクが「ガス上限」フィールドに正しい値を入力せず、そのトランザクションが失敗したため、次のトランザクション(今回の取引)で手動により変更することにした。
しかし、「ガス上限」フィールドに200,000と入力する代わりに、誤って「ガス価格」入力フィールドに入力してしまい、この取引に23517200000 Gweiを支払うことになった。
ガスとは、イーサリアムネットワーク手数料のことで、Gweiという単位で示される。1Gweiは1イーサリアムの10億分の1として計算される。また「メタマスク(MetaMask)」は、イーサリアムやERC20トークンの保管ができるウェブウォレットで、DeFiユーザーもよく使用するものだ。ユーザーは取引を迅速に処理するために、平均よりも高い料金を手動入力することも多く、人的エラーを引き起こし得る設計となっている。
この様子を受けコミュニティの反応は、ユーザーに落ち度を認めつつ、「このような起こり得るエラーに対して、メタマスク側にも確実なチェック機能を備えるべきではないか」との指摘も挙がった。
こうした、意図せぬ高額手数料払いはこれまでも発生している。今年6月には、2回のイーサリアム取引に対して約520万ドル(約5億円)もの手数料を支払ってしまったユーザーがいた。今回は、イーサリアムのマイニングプール大手Ethermineが該当する取引でETHブロックをマイニングしており、ユーザーは問題解決のためEthermineに連絡したという。
関連:イーサリアムとは、初心者でもわかる通貨の仕組みと今後の将来性
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します