米SEC、長官の後任人事を発表──リップル訴訟への影響は
SECの新長官
米証券取引委員会(SEC)で、新たな長官が就任したことがわかった。「クリプトママ」と呼ばれるHester PeirceコミッショナーがSNSで伝えている。
新長官は現職のElad Roismanコミッショナー。Roisman氏は、2018年にトランプ大統領にコミッショナーに任命された人物だ。ブルームバーグの報道によると、新長官のポジションは臨時であり、次期大統領のバイデン氏が就任後、新たな長官を任命する。
Roismanコミッショナーが新長官に就任した背景に、Jay Clayton元長官はXRPの有価証券問題を巡り、リップル社を提訴した翌日(24日)というタイミングで、退職したことがある。
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Roisman長官は、ビットコイン・仮想通貨に対して理解のある人物でもあるようだ。2018年に、当時国会議員だったRoisman氏はICOやブロックチェーンなどの新興技術に関して、SECがルールや規制を見直す必要があるとの見解を述べていた。
また、ビットコインETFの申請について、コミッショナーの就任後、同氏はETFの申請企業VanEckとパートナー企業のSolidXの関係者と面会などを担当した。
ビットコインETFの申請は、これまで複数の企業によって試みられたが、Clayton元長官の下ではすべて失敗に終わった。主に市場操作のリスクやカストディインフラの不足などの課題が指摘されている。
新長官とリップル訴訟
新長官に変わったことで、リップル社の訴訟にとって転機ではないかとの意見が散見されているが、仮想通貨弁護士のJake Chervinsky氏はリーダーシップの変更では影響はほとんどないと見ている。
論点は、提訴に関するSECコミッショナーたちの投票だ。SECは、提訴のアクションを決定するために、最終的には長官を含め、コミッショナーたちが投票を行う。コミッショナーがどのように投票したかは、アクション(裁判や和解)の結果が出てから公表される仕組みとなっている。
また、これまで仮想通貨のイノベーションについて擁護してきたPeirceコミッショナーが、今回の提訴については、SNSで反論を述べていないため、Chervinsky氏は「おそらく、全員一致で通過したのだろう」と分析した。これまで、Peirceコミッショナーは他の仮想通貨プロジェクトに対するSECの訴訟について、反論を述べていた背景がある。
その上で、「これまでSECの執行部門によるアクションに対しては、コミッショナーの多数が同意していたため、Roisman長官がその決定を覆すとは考えられない」と指摘している。
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