CoinPostで今最も読まれています

XRP(リップル)続落、前週比で50%安──最新の下落要因とその影響

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

XRP続落

24日の仮想通貨市場で時価総額4位のXRPが暴落。前週比で下落幅は一時25円超となり、1週間で半値水準(-50%)まで価格が急落した。

米SECが米リップル社や役員を相手方に有価証券問題に関する提訴に踏み切った。その後、米国関連取引事業者を中心に、XRPの取引を停止する事例などが続き、市場の不確実性と流動性低下を投資家が嫌気した。

XRPの下落を受け、アルトコイン市場も全面安の様相を呈している。米国で一部の仮想通貨に証券性(セキュリティ)の問題が取り沙汰される中、他の通貨にも影響が波及する可能性を懸念する見方が強まっている。

騰落率は、時価総額でXRP以下のアルトコイン銘柄で前日比10%安を超える銘柄も続いた。米国でコモディティとしての区分で先物市場などが進むビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)は、他の通貨と比較して底堅く推移しているとも言える状況だ。

リップル社などに関連する訴訟の概要は、昨日報道した通りであるが、24日朝方にかけて、訴訟を受けXRP関連の取引を停止する事例などが相次いでいる。直接市場に影響することが懸念された事例として、紹介する。

リップル訴訟まとめCoinPostまとめ記事

最新のXRPマーケットへの影響とその注目ポイント

・BitwiseインデックスからXRPを除外、ポジションを清算

・Galaxy DigitalとJump TradingがXRP流動性提供を中止

・CrossTower、Beaxy、OSLでXRP取引の廃止または一時停止

・クレイトン委員長、23日付で退任

・SimplexがXRPサービスを停止

BitwiseがXRPから撤退

米暗号資産(仮想通貨)投資企業Bitwiseが、米主要OTC市場のOTCQXに上場している仮想通貨指数(インデックス)ファンドにあるXRPのポジションを清算したことを発表した。証券取引委員会(SEC)がリップル社に対する提訴でXRPを未登録有価証券と主張していることが原因だとしている。

Bitwiseの仮想通貨指数ファンド「Bitwise 10 Crypto Index Fund(BITW)」は、時価総額上位の10銘柄の総合的パフォーマンスに連動して運用される投資信託だ。運用対象となるインデックスは、ビットコイン(75%)とイーサリアム(13%)に組成比率で主な比重を置き、他の12%は、XRPやチェーンリンク(LINK)、テゾス(XTZ)、及びその他の銘柄で組成されている(現在までの組成比率)。

Bitwiseによると、XRPの比率は約3.8%であったが、保有するすべての現物XRPを清算した。「BITWは州や連邦法下で有価証券になり得るものには投資できない」と説明している。

また、XRPを清算した資金を指数にある他の銘柄に投資したが、最新の指数組成比率の変化については現時点では明らかにしていない。

BITWは今月10日より、米国の主要OTC市場「OTCQX」で取引を開始した注目のインデックスファンドだ。最新データによると、同OTC市場の出来高ランキングで、BITWは5位に位置している。1位はグレースケールのビットコイン投資信託GBTC、2位はグレースケールのイーサリアム投資信託ETHEと好調な仮想通貨関連ファンドが続いている。

マーケットメーカーもXRP対応中止に動く

著名投資家Mike Novogratz氏が運営する仮想通貨マーケットメイカー企業Galaxy Digitalとシカゴ発の高頻度取引業者Jump TradingもXRPのマーケットメイキングを中止している模様だ。TheBlockが情報筋の内容として報じた。

Galaxy DigitalはQ3において、約1,400億円の出来高を記録した米大手業者で、Jump Tradingもさまざまな取引所に流動性を提供している。

Galaxy Digitalの代表はTheBlockの取材に応じて、「XRPの取引を中止し、今後の展開を観測する」と話した。

これらのマーケットメーカーは、取引所等の事業者向けに仮想通貨の販売等を行なっている事業者で、利用する取引所や流動性に影響が出る可能性が懸念される。

日本の取引所でも、このような流動性供給元(LP)の状況の変化への懸念があることを発表している。具体的には、価格の急激な変動、提供するサービスのスプレッド拡大に繋がる恐れがあり、日本で取引するトレーダーは注意したい状況だ。

日本の取引停止の可能性については、ディーカレットが、「サービス内で顧客へ安定した価格提供が困難であると判断した場合、一時的にXRPに関するサービスを停止する可能性がある」としたリリースを発表している。

仮想通貨取引所の取引について

SECの訴訟を受け、一般・機関投資家向けに取引を提供する仮想通貨取引所がXRPの対応を中止する事例も出てきている。

24日時点で取引を停止・一時中止を発表したのは3社。小規模な取引所であるCrossTowerとBeaxy、また香港にある機関投資家向けの取引所「OSL取引所」が、XRPに関連するサービスの対応を行なっている。

関連香港証取委が仮想通貨取引所ライセンス発行、ビットコインなどデジタル証券トークン化へ

決済プロセスの中止事例

また、バイナンスやOKEx、Bitfinexなど、多くの仮想通貨取引所と提携し、法定通貨の入出金サービスを提供する決済企業Simplexも、XRPの売買トランザクションサービスを中止した。TheBlockがEメールでSimplexに事実に関して確認したという。

Simplexは自社サービスを統合した取引所で、VisaやMastercardのクレジットカードや銀行口座を利用した仮想通貨の売買サービスを提供。提携企業は大手グローバル取引所やウォレット企業を含む200以上の交換業者に及ぶ。

グローバルに事業を展開するバイナンスなどが、法定通貨建で仮想通貨の売買サービスを提供するために必要とするシステムで、Simplexを利用する取引所で影響が見られる可能性がある。

クレイトン長官の正式退職

米証券取引委員会(SEC)のJay Clayton長官が、日本時間2020年12月24日をもって退職すると発表した。XRPの有価証券問題を巡り、リップル社を提訴した翌日というタイミングだ。

Clayton長官は11月に、早期退任の予定を発表しており、2017年5月にトランプ大統領の指名によって就任し、21年6月までの任期期間を前倒しして退任する形となった。

関連クレイトン米SEC長官の政策

SECは日本時間23日に、リップル社やGarlinghouse CEO、共同創設者のChris Larsen氏を相手方として正式に訴訟を起こしたが、提訴はあくまでSECの「執行部門」が取ったアクションで、Clayton長官が退任したことによって取り下げられることを意味するものではない。

Clayton長官の就任のタイミングは2017年の仮想通貨バブル期の真っ只中で、仮想通貨を通した資金調達が活発に行われていた時期だった。バブル崩壊とともに詐欺や証券法違反などの被害事例も多発する状況があり、18年からは制裁金を課すなど、仮想通貨セクターの違法有価証券等に対する取り締まりと投資家保護を強化してきた。規制方針としては、仮想通貨・トークンが有価証券に該当する基準となるガイダンスの発行も実施している。

なお、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)に関しては、Clayton長官は「十分な分散化」などを理由に有価証券に該当しない結論を出しているが、今回XRPをめぐる訴訟のようにケースバイケースの形式で取締まりを執行しているため、業界から連邦議会に統一した法律の整備が求められている現状にある。

リップル訴訟まとめCoinPostまとめ記事

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/28 火曜日
17:09
仕組み債発行のDeFi「Cega」、イーサリアム展開へ
仕組債のスマートコントラクト化に取り組むCega Genesis Corporationは、約7億円の追加調達が完了したことを発表した。Cegaは来週にもイーサリアムへの展開を開始し、レバレッジド・オプションを含む新たな製品ラインナップの拡大を加速する。
14:26
パリ「バーガーキング」、仮想通貨決済対応の充電端末を設置
パリの「バーガーキング」が仮想通貨決済を受け入れる電子機器充電端末「Instpower」を店舗に設置したことが明らかになった。Instpowerは大手仮想通貨取引所バイナンスのBinance Payで使用できる。
12:41
アリババクラウド、渋谷にゲーム開発者向け「ブロックチェーン・ラボ」新設へ
アリババグループ傘下のアリババクラウドは、Web3時代に向け日本のゲーム開発者支援のため、東京渋谷にブロックチェーン・ラボを立ち上げると発表した。ゲーム・VRコンテンツ開発会社のSkeleton Crew Studioと提携し、4月に開設する予定。
12:35
三菱UFJ信託銀行ら、国内発行ステーブルコインの相互運用に備えた技術連携を開始
ステーブルコインの相互運用 三菱UFJ信託銀行株式会社は28日、国内で発行が予定される多様なステーブルコイン間の滑らかな相互移転・交換の実現に向け、株式会社Datachainと…
12:00
メイカーダオ、DAO分割へ前進
DeFi大手Makerプロトコルを管理する分散型自律組織「MakerDAO」は、改善提案が仮想通貨メイカー保有者による投票で可決したことを発表した。将来のビジョン「Endgame Plan」を実現するための基盤となる組織構成や枠組みで構成される。
11:57
CFTCのバイナンス提訴で仮想通貨売り優勢、リップル裁判の思惑めぐりXRPは逆行高
米商品先物取引委員会(CFTC)によるバイナンス提訴を受けBNBを中心に暗号資産(仮想通貨)が下落した。一方、SECとのリップル裁判をめぐりRipple新CEOや弁護士発言を受け前向きな決着期待が台頭、XRPが逆行高している。
11:50
グッチ、YugaLabsと複数年のパートナーシップ締結
高級ファッションブランドのグッチは、NFT開発スタジオYuga Labsとの複数年に渡るパートナーシップを発表。メタバースゲーム「Otherside」にも参加する計画だ。
11:32
バイナンス、ステーブルコインTUSDの通貨ペアを増やす
BUSDの代替手段 バイナンスはステーブルコインTUSDの通貨ペアを増やす予定だ。 LDO/TUSD、MATIC/TUSD、OP/TUSD、SOL/TUSD、SSV/TUSD、…
11:30
KDDI、Oasysバリデータに参画 ゲームやエンタメ分野で提携へ
KDDI株式会社は28日、国内発のゲーム特化型ブロックチェーン「Oasys」のバリデータとして参加すると発表した。
11:00
欧州理事会、スマートコントラクトを制限する可能性のある法案に合意
EU理事会は、データ法に基づく法案に合意。データの公正利用などに関する規則だが、仮想通貨のスマートコントラクトにも影響を与えるのではないかと懸念されている。
10:25
Polygon zkEVM、メインネットのベータ版をローンチ
Polygon Labsは、仮想通貨イーサリアムのスケーリングソリューションPolygon zkEVMのメインネットのベータ版をローンチしたと発表。特徴や今後の計画について説明している。
10:05
米コインベース、Flareトークン(FLR)上場候補に
米コインベースは28日、暗号資産FLR(Flareトークン)を上場ロードマップに加えたことを発表した。
08:30
米CFTC、バイナンスとCZ氏を告訴
米CFTCは、仮想通貨取引所バイナンスと同社のCZ氏らを提訴したと発表。バイナンス本体が米国法に違反したとし、提訴した具体的な理由を説明している。
08:10
米マイクロストラテジー、約200億円分のビットコインを買い増し
米ビジネスインテリジェンス企業「マイクロストラテジー」は27日、1.5億ドル(約200億円)相当のビットコインを購入したことを発表した。
07:25
金融不安一服で銀行株に買い戻し ナスダックは反落|28日
本日のNYダウは銀行株の買い戻しに支えられて続伸し+194ドルで取引を終えた。CFTCによるバイナンスの告訴は仮想通貨の下げ材料となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア