米サークル社、仮想通貨USDCと米ドルを円滑に交換できるシステムを提供

個人投資家に新たな送金方法を提供

米大手暗号資産(仮想通貨)関連企業Circle(サークル)が、独自で発行するステーブルコインUSDCと米ドルをスムーズに交換して送金する方法として、新たに「ACH」を提供開始した。

仮想通貨取引所FTX.US(FTXの米国版)は、ACHシステムを最初に使用するプラットフォームの1つとなった。米国のユーザーはこれを利用して米ドルとUSDCを円滑に交換できるようになるという。

ACH(Automated Clearing House:自動資金決済センター)とは、米国で使われている送金システム。様々な銀行が送金情報をACHに送り、ACHがまとめてそれらを処理する。送金に1〜2日ほど時間がかかるかわりに、手数料が抑えられる仕組みだ。

Circleは以前から、カード決済や電信送金などの手段も備えているが、これに加えて米国の個人投資家はACHを新たな選択肢として利用できるようになる。

FTX.USは、個人投資家向けの新しい仮想通貨仲介サービスを立ち上げる上で、CircleのAPIと新たなACHサービスを採用するという。FTXの創設者兼CEO、Sam Bankman-Fried氏は次のように説明した。

CircleのAPIは、ユーザーの銀行振込を新しい製品に接続するための、高速で信頼性の高いインフラを提供する。またイーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)のエコシステムでUSDCの決済を円滑に行えるため、投資家に最速のエクスペリエンスを提供できる。

また、Circleはフィンテック企業Plaidと提携して、口座番号や銀行コードの代わりに銀行の認証情報を使用してサインインできるようにした。

このプロセスは、銀行口座や銀行コードの入力ミスなどのエラーを防ぎ、ユーザーのセキュリティを強化。またユーザーが入力する数字を探したり、アプリケーションを切り替えたりする手間を省いて、サインインのプロセスを簡単にする。

成長するUSDC

USDCは、米大手取引所コインベースがCircleと共同でローンチした米ドルペッグのステーブルコイン。ステーブルコイン市場では、第1位のUSDT(テザー)に次ぐ流通量を誇る。

また急成長していることでも注目される。2020年にテザーの時価総額は、47.5億ドルから214億ドル(約2兆円)まで350%増加したが、USDCは同期間に5億1,800万ドルから39億1,000万ドル(約4,000億円)まで655%増加した。

この背景には分散型金融(DiFi)の興隆が存在するようだ。先日コインベースは、「DeFi市場の成長は、資産の担保または取引ペアの一部として、米ドルなどの法定通貨を使用するためのメカニズムであるため、ステーブルコインの利用を直接促進し得る」と指摘していた。

USDCを使えるVisaカード発行へ

2020年12月、大手クレカ企業VisaはUSDCをクレジットカードに統合すると発表した。

Visaネットワークにおける6,000万以上の企業で法人取引時にUSDCが利用できる仕組みを整備し、USDCに対応するVisaクレジットカードは決済時にUSDCを通して決済を実施することができるようになる。2021年にローンチする予定だ。

関連:Visa、ステーブルコインUSDC対応カードの発行を可能に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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