仮想通貨企業M&Aがアジア・欧州中心に活性化、2020年は前年比2倍の100億円超に

仮想通貨企業のM&A、2020年には100億円突破

活況をみせた2020年の暗号資産(仮想通貨)およびブロックチェーン市場。企業の買収/合併(M&A)が、前年(2019年)比から2倍以上に増加したことがわかった。PwCコンサルティングの概況の内容として、ブルームバーグが報じた。

PwCの市場分析によれば、2020年における仮想通貨関連企業のM&A(買収合併)額は、11億ドル(約120億円)に到達。欧州やアジア地域での企業活動がより活発に行われたという。

さらに仮想通貨による資金調達の割合も増加し、全体の調達額は前年比から33%増えた。

ただ、地域別での買収額だけ見ると、2020年は中北米圏での活動が71%と大きな割合を占めた。前年は52%の買収・合併がアメリカ大陸の企業だった。一方、アジア太平洋地域だけ見ると2020年は買収額は2019年から約75%(9,900万ドルから2,400万ドルまで)減少した。

出典:Bloomberg(PwC)

一方、M&Aがあった仮想通貨企業数は地域別でバランスよく分かれており、2020年にはアジア太平洋地域は全体の25%に相当した。欧州と中東、並びにアフリカを合わせたEMEA地域は全体の35%だった。

PwCのグローバル仮想通貨部門責任者のHenri Arslanian氏は2021年はM&Aの領域において、「全ての指標で前年を超える勢いを見せている」とコメント、機関投資家や著名投資家や資金の潤沢な仮想通貨プラットフォームが積極的に買収などを行うだろうと展望した。

Arslanian氏の指摘通り、仮想通貨企業の買収・合併数や仮想通貨による資金調達額の増加は2020年に再び上昇を始めた仮想通貨市場の活況を反映していると言えるだろう。

また著名投資家のポール・チューダー・ジョーンズ氏やスタンレー・ドラッケンミラー氏のビットコイン保有の表明や、Square社やMicrostrategy社など企業の財務資産としてのビットコイン購入報道など、ビットコインをはじめとする仮想通貨に対する認識の変化も好影響を与えたと考えられる。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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