貿易金融向けブロックチェーンのXinFin、R3のCordaと接続で仮想通貨XDC利用拡大へ
パブリックブロックチェーンと接続
企業向け分散型台帳を開発するR3社のCordaネットワークは、貿易金融向けのブロックチェーン「XinFin」との接続を行うことが発表された。CoindeskやCryptoPotatoなどが報じた。
eXchange inFinite (XinFin)はネットワークへの参加者を限定しないパブリックブロックチェーンであり、そのXDCトークンはCorda上で決済に利用可能になるという。
また、XDCはイーサリアム基盤であることから、今回のXinFinとの接続は「ERC-20及びその他の通貨ネットワークとの接続に向けた基礎を築く」ことになると、XinFinを開発するLAB577のRichard Crook氏は米Coindeskに語った。
ブロックチェーンと貿易金融
XinFinはシンガポールを拠点としたチームで、「XDCを決済の記録におけるデファクトスタンダードにすること」を掲げている。
XinFinのブロックチェーンは、ビットコインのようなパブリックブロックチェーンにKYC(顧客認証)の要素が追加されていることが特徴だという。
これによって参加者はネットワークに参加するに当たって自分の身元を説明する情報を提出しなければならないため、参加者を限定することなく、同時に参加者の透明性を確保している。
一般にビットコインのようなパブリックネットワークは、誰でも参加することができ、誰でもデータを見ることが可能だ。
一方で、R3は、顧客情報の提供や公開には慎重にならざるを得ない銀行業界により設立された。そのCordaは、企業向けのブロックチェーンで取引の当事者のみデータを見ることができ、企業のプライバシーを確保する仕組みになっている。
Cordaを巡っては、同じくシンガポールを拠点とする貿易金融向けのソリューションを開発する「#dltledgers」が今月25日、シリーズAにて700万ドル(約7.6億円)の資金調達を行った。
#dltledgersは、Hyperledger FabricからCordaブロックチェーンへの移行を発表しており、資生堂などが同社の顧客になっているという。
なお、XinFinのXDCは、2020年10月にCordaでローンチされることが発表された、英Cordite SocietyによるXDCトークンとは別のものだ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します