米マイニング企業Marathonの株価が高騰、21年第1四半期に196BTCを採掘
2021年第1四半期の採掘量を報告
ナスダック上場の米大手暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Marathon Digital Holdings(以下Marathon)が事業について最新の報告を発表。2021年第1四半期に、196BTCを採掘したことが分かった。
21年3月31日時点で保有ビットコイン総数は5,134BTCに達し、時価は3億1,090万ドル(約340億円)相当だった。21年1月に平均「1BTC=31,168ドル」で購入した4,812.66BTCが含まれる。
時価総額56億ドルのMarathonの株価は、前週比44.8%高の56.5ドルまで上昇している。
Marathonによると、同時点で手元の現金は約2億1,200万ドル(約230億円)で、現金と保有ビットコインを合計した流動性は約5億1,390万ドル(約570億円)に達したという。この報告を受けて、同社株式は7%程度急上昇した。
Marathonは2月に、約200億円の増資に成功しており、この資金の一部をビットメインからのマイニングマシン購入に充当している。
関連:仮想通貨マイニング大手の米上場企業Marathon、2億ドルの増資完了
マイニングマシンを大量購入、配備中
ビットメインは予定通り、すでにモンタナ州のマイニング施設にマイニングマシン「S-19 Pro」約10,000台を納入済だ。3月の悪天候により設置作業が遅れたこともあり、第1四半期末の時点で稼働中のマイニングマシンは約6,800台で、ハッシュレートは約0.71 EH/s(エクサハッシュ/毎秒)であるという。
今後も順次、ビットメインより追加でマシンの納入が行われる。Marathonはマイニングマシンの設置を随時進めており、現在のスケジュールでは、2022年第1四半期末までに購入済のマイニングマシンすべてを完全に配備・稼働する予定だ。
その暁には、Marathonのマイニングマシンは合計103,120台となり、約10.37 EH/sを生成する。2021年1月から、2022年2月までのハッシュレート推移について、Marathonは以下の図のように予測した。
この予測は天候や、マシン納入に関わる通関、配送などの状況により、変更する可能性もある。
MarathonのMerrick Okamoto会長兼CEOは「私たちのビジネスは大きな変革の真っ只中にある」として次のようにコメントした。
毎日のように新しいマイニングマシンが稼働しており私たちは明らかに事業規模を拡大し始めている。(中略)2021年の年始には、私たちは2,560台のマイニングマシンで、0.25 EH/sを生成していた。2022年初頭までに、マイニングマシンは103,120台に増え、10.37 EH/sを生成予定だ。約1年間で40倍以上採掘能力を増加させることになる。
マイニングプール立ち上げも発表
Marathonは3月30日、新たなビットコインマイニングプールを立ち上げることも発表している。マネーロンダリング防止対策(AML)や米外国資産管理局(OFAC)の基準など、米国の規制に完全に準拠した北米拠点のプールとなる。
2021年5月1日に、Marathonはハッシュレートの100%をこの新しいマイニングプールに転送し始める予定。6月1日からは、米国を拠点とする他のビットコインマイニング企業の受け入れを開始するという。
Okamoto CEOは、現在ビットコインのハッシュレートのほとんどが1つの国(中国)に存在しており、ハッシュレートが集中していることで生じるリスクを軽減するためにも、より多くのマイニング能力を米国に移すことに意義があると説明。
2022年初頭までに予定通りMarathonのハッシュレートが10.37 EH/sに拡大し、すべてこのプールに向けられた場合「世界で7番目に大きいビットコインマイニングプールになる見込みで、北米をデジタル資産マイニングの中心地にする」と意気込みを見せた。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します