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仮想通貨マイニング大手の米上場企業Marathon、2億ドルの増資完了

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

206億円相当の増資に成功

ナスダック上場の米大手暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Marathon Patent Group (以下Marathon社)が、2億ドル(約206億円)の増資を成功裏に完了したと発表した。

この増資は、証券取引委員会(SEC)の規定に基づく有価証券の一括登録制度を利用した株式の売却によって行われた。その結果、同社は現金2億1760万ドル(224億円相当)と発行済み株式総数746万6549株で2020年度を終了したとのことだ。

増資で得た資金は、ビットメイン社から購入したマイニング機器の支払いと事業拡張に充てる予定だと、Marathon社は述べている。

次世代採掘機器の拡充

Marathon社は、非常に積極的な最新のマイニング機器導入を行っている。これまでに購入した次世代採掘機器の総数は10万3060台。現在設置されている台数は3万3000台だが、昨年末に同社はビットメイン社と7万台の新規購入契約を結んでいる。

今年第1四半期に1万5200台が出荷予定で、同社は2月に4000台、3月に6300台、4月に4800台の設置を計画している。

10万3060台の最新マイニングマシンがフル稼働した場合、ハッシュレート(採掘速度)は約10.36EH/sまで高まる計算となるという。

グラフ1
  • ハッシュレート:10.36 EH/s
  • 電力コスト:1kWh あたり 0.028 ドル
  • ホスティングコスト:1kWh あたり 0.006 ドル
  • ビットコイン価格:1BTC=2万8000ドル

上記の条件で、ビットコイン利益計算機「ViaBTC Profit Calculator」を用いて利益を算出した場合、Marathon社の年間収益は約6億1800万ドル(約637億円)、粗利益は約5億2300万ドル(約539億円)が見込まれるという。Merrick Okamoto会長兼CEOは、この数字を踏まえ、同社が北米最大級のマイニング企業となる道を確実に歩んでいると自信をのぞかせた。

ビットコインマイナーの時給は100万ドル?

ビットコイン価格が高騰する中、マイニングからの収益は2019年7月以来、最高額になっていると、ブロックチェーンデータ分析会社「Glassnode」は報告している。

「ビットコインのマイナー達は、現在時給100万ドルを稼いでいる。これは半減期以後、185%増加したということだ。これほどマイナー収益が高かったのは、2019年7月のことだが、当時はブロック報酬が今日の2倍だったことに注意してほしい」

もちろん、この数字は個々のマイナーの収入ではないが、マイニング事業の収益が増加しているのは確かなようだ。

マイナーはビットコイン取引の処理によって報酬を得ているため、ブロックチェーン上の取引が活発であればあるほど、収益も増えることになる。またネットワークが混雑すると取引手数料を引き上げることも可能であり、さらなる収益の増加につながる。

Glassnodeは、今日までのビットコインマイナーの総収入を138億ドル(約1兆4235億円)と見積もっている。

Marathon社のOkamoto会長は、マイニングを「不安定な産業」と形容しており、収益性を効率的に高めるには「先見の明のあるタイミング、そして規模が最も重要となる」と述べている。

ビットコインの誕生から12年、高性能のグラフィックカードをインストールすれば、自宅のパソコンでソロマイニングが可能だった時代は、すでに遠い昔の話となった。マイニングは、投資家にアピールできる企業が資金調達によってインフラに巨額投資し、いかに経営環境と競争力を高められるかが決め手となる産業に成長したようだ。

ビットコイン市場の熱狂とともに、マイニング企業間のハッシュレート競争もますます激化している。

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