ワルキューレ Innovative Balance Sheet ETF
米暗号資産(仮想通貨)投資企業Valkyrie Digital Assetsが、ビットコインを財務資産として保有する企業の株価パフォーマンスを反映させるETF(上場投資信託)の目論見書を米SEC(証券取引委員会)に提出したことがわかった。
このETF(Valkyrie Innovative Balance Sheet ETF)では、すでにビットコイン(BTC)を保有する企業が主な投資対象とされるが、最大20%の資金アロケーションは、今後ビットコインを購入する見込みのある企業の株式にも充てられる仕組みとなる。
ビットコインを保有する企業の代表例としては、MicroStrategyやテスラ、Squareなどの上場企業がある。以下が主なビットコインを保有する上場企業だ。(データはこちら)
- MicroStrategy: 91,326 BTC
- テスラ: 48,000 BTC
- Galaxy Digital Holdings: 16,402 BTC
- Square Inc.: 8,027 BTC
- Marathon Patent Group: 4,813 BTC
MicroStrategy社の場合、12日に1,500万ドル(16億円)相当のビットコインを現金で更に買い増したことを発表している。
関連:米MicroStrategy社が16億円相当のビットコイン買増し
ValkyrieのETFは、MicroStrategyのようなビットコインに直接投資する企業のほか、ビットコインのエコシステムに参加している企業もポートフォリオに含めることが可能。「取引所やウォレットプロバイダー、マイニング企業など」と説明されている。
なおこのETFをNYSE Arcaに上場させることを目指す。同社は1月、ビットコインETFの目論見書をSECに提出した経緯がある。
JPモルガンの類似した仕組み
ValkyrieのETF申請以外にも、類似した事例がある。米仮想通貨投資企業Bitwiseは2月に、「Bitwise Crypto Innovators ETF」における申請をSECに提出。取引所やウォレット企業、カストディアン、マイニング企業、ブロックチェーン技術を活用する企業のパフォーマンスに投資するバスケット型のETFだ。
さらに、JPモルガンは今週、CME GroupやMicroStrategy、Square、PayPal、Riot Blockchain、NVIDIA、AMDなどの仮想通貨の関連する企業の株式をバスケット型の投資商品として組成し、包括的なエクスポージャーを持つ機会をクライアントに提供するという書類をSECに提出。ETFに該当しないものの、大手金融機関が仮想通貨の関連プロダクトを提供する可能性に注目は集まっている。