はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

中東情勢緊迫化など市場不安で仮想通貨急落、3日で15億ドル規模のロスカット

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比-1.1%の1BTC=101,244ドルに。

BTC/USD日足

一時10万ドルを割り込むも反発した。中東情勢の緊迫化が主な要因であるが、FRBの金融政策(利下げ見送りやインフレ懸念)、過剰レバレッジの清算、トランプ大統領の関税政策なども影響しているものと見られる。

関連:ビットコイン一時10万ドル割れ、イラン・ホルムズ海峡封鎖報道が影響|仮想NISHI

前週比ではアルトコインの下落率が顕著であり、先物市場では過去3日間で15億ドル(2200億円)相当の仮想通貨がロスカット(強制清算)された。

トレーダーの平均取得価格に近いオンチェーン実勢価格(Realized Price)は、1BTC=82,000ドル。

ドナルド・トランプ米大統領は日本時間22日夜、イランの主要核施設3カ所に対する大規模な軍事攻撃を実施したと発表した。これは米国がイランに対して行った史上初の直接軍事攻撃となり、中東情勢は新たな局面を迎えた。

事態をさらに深刻化させているのは、イラン議会が米国の攻撃への報復措置として、世界の原油輸送の生命線であるホルムズ海峡の封鎖決議を可決したことである。

これに伴い、ビットコインを始めとする暗号資産(仮想通貨)市場はリスクオフに傾いた。

ビットコインの24時間取引量は477億ドルに達し、市場全体では10億ドル以上のポジションが清算される事態となった。

イーサリアムはさらに深刻な打撃を受け、2,180ドルまで下落して10%の大幅な下落となった。XRPも8%下落して1.93ドルで取引を終えるなど、主要な暗号資産は軒並み大幅な下落を記録した。

週明けの国際市場開場を前に、投資家たちは原油価格の急騰と中東情勢のさらなる悪化を警戒している。最大の焦点は、イランが実際にホルムズ海峡の封鎖に踏み切るか、または米国に対する直接的な軍事報復に出るかという点である。

こうしたイランの出方と、それに対する米国および同盟国の対応次第で、暗号資産を含む世界の金融市場は大きな転換点を迎える可能性が高まっている。

過去の事例を振り返ると、イランがホルムズ海峡の完全封鎖を実現した例はない。1980年代のイラン・イラク戦争では、機雷や対艦ミサイルによる石油タンカーや関連施設への攻撃を実施したが、海峡の完全封鎖には至らず、海運保険料の急騰と海上交通の大幅遅延を招くに留まった。

専門家の多くは現在も、実際の封鎖実現について懐疑的である。エネルギー分析専門家は「海峡の大部分はオマーン領海にあり、イランによる完全封鎖は物理的に不可能」と指摘し、米軍第5艦隊のバーレーン常駐を理由に「長期封鎖の維持は極めて困難」と分析している。ただし、機雷敷設やタンカーへの組織的嫌がらせ攻撃などの部分的妨害工作により、海運保険料の暴騰を通じて実質的な輸送コストが急騰し、経済的封鎖効果をもたらす可能性は残る。

2000年以降、イランはホルムズ海峡封鎖を繰り返し脅迫してきた。今回実際に封鎖が実行されれば、エネルギー価格の急騰は避けられない。この海峡は世界の石油輸送量の約5分の1、液化天然ガス輸送量の35%を担う戦略的要衝であり、その輸送量はパナマ運河とスエズ運河の合計を上回る。

イランによる封鎖が実行されれば、世界は石油供給の大部分を一夜にして失い、米国やイスラエルによる軍事的対応は不可避とみられる。こうした軍事衝突が現実化すれば、原油価格の暴騰により世界経済に深刻な打撃をもたらすことは確実である。

このような状況はFRB(米連邦準備制度)の金融政策にも重大な影響を与える。原油価格が130ドル台に急騰し、インフレ率が5%に向けて再上昇する可能性がある中、利下げは物価高に拍車をかけかねず、むしろ利上げ転換に至る可能性すら取り沙汰されている。

パウエル議長への批判を強め、利下げを求めるトランプ大統領と、コスト上昇圧力に直面するパウエルFRB議長という対立構図の下、連邦準備制度理事会は政治的・経済的な二重圧力にさらされている。これらの複合要因が、金融市場全体に長期的な不安定化リスクをもたらしている。

アナリストの間では、2022年2月のロシアによるウクライナ軍事侵攻を引き合いに出し、一時的なパニック売りの後に相場が反発した前例を指摘する声もある。

しかし今回の中東危機は、より多くの主要国が直接的に関与する可能性が高く、ウクライナ情勢とは規模や影響範囲が大きく異なるため、市場の先行きは極めて不透明な状況が続くものと見られる。

関連:ビットコインと仮想通貨関連株はどちらを買うべき?メリット・デメリットを解説

関連:仮想通貨取引所ランキング|プロ厳選の実績と評判で徹底比較

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/08 金曜日
19:19
ビットバンク 8月14日にSUI(スイ)上場へ 
ビットバンクが8月14日からSUI(スイ)の取扱いを開始。元Meta開発陣による次世代ブロックチェーンで、並列処理技術により高速取引を実現。現物取引、販売所、レンディングサービスに対応し、9月11日まで取引手数料無料キャンペーンを実施中。
18:00
アルトコインを保有する上場企業一覧|ETH・SOL・XRPなど主要銘柄別に分析
イーサリアム、ソラナ、リップル社開発のXRPなど、ビットコイン以外の仮想通貨をトレジャリー戦略で保有する上場企業が急増中。銘柄別一覧とともに投資効率や保有動向をわかりやすく分析。
13:40
ビットコイン市場、最高値更新後「優柔不断」な局面に=Glassnode分析
ブロックチェーン分析企業Glassnodeは週次市場レポートで、ビットコイン市場は現在、最高値更新後の「優柔不断な」調整局面にあり、価格は「エアギャップ」と呼ばれる流動性の低い領域に留まっていると分析した。
12:50
Pumpfunの新財団、ミームコイン支援で流動性注入へ
仮想通貨プラットフォームのパンプファン(Pump.fun)が新たにグラスフル財団を設立。有望コミュニティへの大規模流動性注入でソラナのミームコインエコシステムの成長を加速させる計画を発表。
12:00
カンファレンスを通じてリミックスポイントのビジョン発信の場に|WebXスポンサーインタビュー
今回、WebXのプラチナスポンサーとしてブースを出展する株式会社リミックスポイント取締役へ独占インタビューを実施。「次世代のビットコイントレジャリー企業」として、暗号資産の戦略的活用と企業財務の未来、WebX 2025への展望を語る。
11:59
リップル社とSEC和解でXRP急伸、トランプ政権の仮想通貨政策など複数の材料が相場押し上げ
XRP価格が前日比10%急騰。リップル社と米SECの5年間の法廷闘争が終結し、法的地位が確立された。同時にトランプ大統領が政治的理由による銀行サービス拒否を禁止する大統領令と401k制度改革を発表し、9000万人の米国労働者に仮想通貨投資機会を開放した。ビットコインも上昇し、仮想通貨市場全体に強気材料が重なっている。
11:25
JPモルガン、ブロックチェーン「Kinexys」でオンチェーンレポ取引開始
JPモルガンがKinexysブロックチェーンを活用したオンチェーン日中レポ取引サービスを開始した。HQLAx、Owneraと協力し、すでに日次最大1470億円の取引量を実現している。
10:20
米ファンダメンタル・グローバル、ETH戦略で最大50億ドル調達へ
ナスダック上場のファンダメンタル・グローバルがSECにS-3登録届出書を提出し、最大50億ドルの証券発行計画を発表。調達資金の大部分を仮想通貨イーサリアム購入に使用。
09:45
チェーンリンク、仮想通貨LINKの準備金創設を発表
ブロックチェーンのインフラを開発するチェーンリンクは、仮想通貨LINKの戦略的準備金を創設したことを発表。創設の目的を説明し、すでに1.5億円相当を購入していることも明かした。
09:35
英ユニオンジャック・オイルら、天然ガス田でビットコイン採掘を計画
英石油ガス会社ユニオンジャック・オイルらの合弁事業がガス田でビットコインマイニング事業を行う計画だ。成功次第でビットコイントレジャリー戦略開始も検討している。
08:45
08:12
トランプ大統領、仮想通貨支持派のミラン氏をFRB理事に指名
トランプ大統領が8日、経済諮問委員会委員長のスティーブン・ミラン氏を連邦準備制度理事会理事に指名。ミラン氏は仮想通貨規制合理化を主張する経済学博士と知られる。
07:15
リップル社、ステーブルコイン決済企業Railを買収へ
リップル社は、ステーブルコインの国際決済企業Railを買収することで合意したと発表。仮想通貨XRPやRLUSDなどの高い流動性を提供していくことなどを説明した。
07:00
リップルとSEC、控訴を相互取り下げで法廷闘争が終結 5年間の争いに決着
米証券取引委員会とリップルラボが控訴を相互取り下げし、5年間のXRP証券問題を巡る法廷闘争が終結。トーレス判事の2023年判決が最終判断に。
06:35
創業77年の北紡、ビットコイン累計購入額5700万円に
東証スタンダード上場の北紡がビットコイン累計購入額3.32BTCと発表した。8月8日から毎営業日200万円相当の定期購入を開始し、総額8億円の投資枠で仮想通貨トレジャリー事業に本格参入する。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧