市場不安定要因「キムチ・プレミアム」急落の背景、JVCEA2月出来高はネムが前年比14.2倍に
ビットコイン相場
8日の暗号資産(仮想通貨)市場ではBTC価格が続落。前日比2.3%安の621万円(56,450ドル)に。
アルト市場の活性化に伴いBTCドミナンス(占有率)が急低下したことで上値を重くしたほか、6万ドルの心理的節目を抜けられず、次第に売りが優勢となった。
データ分析企業Cryptoquantによれば、一時+22%に達していた「キムチ・プレミアム」が急落した。キムチ・プレミアムとは、韓国と他国におけるビットコインの価格乖離を示すもので、4月以降急速に高まっていた。1BTC=600万円時点で20%上方乖離した場合1BTC=720万円で売買される計算となり、市場の歪みを示すものだ。
アジア時間における韓国市場の暴落(急な調整)は、アルトシーズンで過熱していた仮想通貨相場の下落に少なからず影響を及ぼした可能性がある。
CryptoquantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOはこの点について、韓国最大手取引所Upbitにて、BTC/KRW(ウォン建て)の出来高がバイナンスを超えるほど急増した点に着目。これがプレミアムを解消した可能性があると指摘した。
韓国特有の資本規制のため、海外を含む取引所間の価格差を利用して利益を得る「裁定(アービトラージ)取引」が機能しにくい側面が指摘されていた。アルトバブルが発生した18年1月には、最大乖離54%まで膨らんだこともある。
今回のケースでは、全取引所への資金流入が減少しているにも関わらず韓国大手取引所Bithumbへの資金流入だけが急増しており、これを根拠に、裁定目的の大口投資家(クジラ)による売りが入った可能性が高いとの見立てを示している。
JVCEAが最新データを開示
日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が開示した、国内仮想通貨取引所の登録業者26社の統計データによれば、2月次の現物取引高は、4.17兆円に達した。
下図は、JVCEAのデータを基にCoinPostで作成したものだ。
アルトコインの取引高推移は次の通り。
最も伸びが顕著だったのが、新通貨シンボルのローンチと権利付与日時が確定するスナップショットを控えていたXEM(ネム)で、前年同月比14.2倍、前月比2.2倍の1,314億円。XRP(リップル)は前年同月比5.72倍、前月比1.77倍の4,641億円となった。
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ビットコインの取引高は、前月比ほぼ横ばいの2.67兆円となったが、前年同月比だと6.82倍に。イーサリアムは、前年同月比8.08倍に達している。
また、2月に急進した銘柄は価格の高騰したクアンタム(QTUM)で圏外(その他)から急浮上した。月の取引高は、国内5位の926億円まで膨らんだ。
シンガポールに本社を置くQtum Chain Foundation Ltd.のオープンソースブロックチェーンプロジェクトで開発されたクアンタムは、20年3月に国内大手取引所のコインチェックに上場。その後、21年1月にbitbankにも上場した。
1月1日時点のQTUM価格は約230円だったが、4月7日には一時1920円まで高騰。年初来8.34倍の騰落率を記録した。4月末に控えるスケーラビティ向上のためのハードフォークなどが材料視されている。
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