テザー(USDT)、イーサリアムのレイヤー2ソリューションに対応──Hermez Network

イーサリアムのレイヤー2ソリューションに対応

ステーブルコインのテザー(USDT)が、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のスケーラビリティを向上させるレイヤー2ソリューション「Hermez Network」に対応し、正式に利用が可能になったことが分かった。

イーサリアムのネットワークはDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)の需要の高まりなどで、取引が増加し、手数料(ガス代)が高い状態が続いている。時価総額が最も高いステーブルコインであるUSDTが、レイヤー2のソリューションに対応することでスケーラビリティが向上し、どのくらいガス代の抑制や処理速度の改善につながるか注目が集まっている。

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USDTがHermez Networkに対応することは、以前から一部メディアで報じられていた。今回実稼働を開始したことはテザー社のPaolo Ardoino最高技術責任者(CTO)も報告している。

Hermez Networkは、イーサリアムのブロックチェーンにおいて、低コストで安全に送金が行えるようにするためのレイヤー2ソリューション。ゼロ知識証明を応用した技術「ZK-Rollup」を利用していることが特徴で、公式ホームページによると、取引の処理能力を133倍以上高め、送金コストを90%削減できるとしている。メインネットはまだ先月にローンチしたばかりだ。

ゼロ知識証明とは

証明(Proof)プロトコルの一種であり、証明者が「自身の主張は真実である」以外の情報を検証者に開示することなく、その主張が「真実である」と証明するメカニズム。

USDTはイーサリアムだけでなく、トロン(TRX)やSolanaなど他のブロックチェーンでも利用されており、最近ではPolkadotとKusamaのネットワークにも対応することを発表した。

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ガス代の高騰などが影響しイーサリアム上でのUSDTの送金量は、トロンのブロックチェーンに追いつかれ、同水準になっているという。しかし、USDTがHermez Networkに対応したことで、イーサリアム上でのUSDTの利用が再び増加するとの見方もある。

一方でローンチ間もないため、今後はできるだけ多くの取引所に対応する必要があるなど、普及を広め、ユーザーの利便性を高めなくてはいけないという課題も指摘されており、Hermez Networkの今後の取り組みが期待される。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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