裏付け資産の報告書を公開
ステーブルコイン「USDT」などを取り扱うテザー社が、暗号資産(仮想通貨)を発行する際の裏付け資産に関する報告書を公開した。
今回の報告書は2021年2月28日付で作成されている。監査企業Moore Caymanは「この時点で保有する連結資産は、発行されるデジタルトークンの裏付けとして必要な資産の量を上回っている」と報告。裏付け資産がどのように保管されているかは記されていない。
テザー社については今年2月、関連会社である仮想通貨取引所Bitfinexと共に、8.5億ドル(約938億円)の不正融資疑惑を巡る裁判でニューヨーク司法当局(NYAG)と和解したことが分かっている。この際、テザー社の裏付け資産に関するレポートを開示することに合意しており、市場で長期に渡って懸念されてきたUSDT発行の透明性を高める情報開示が行われることが決まっていた。
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今回報告された2月28日時点の連結資産は352.7億ドル(約3兆8900億円)超で、裏付け資産を表す連結総負債は351.5億ドル(約3兆8780億円)超。連結総負債のうち、351.1億ドル(約3兆8740億円)が「デジタルトークンの発行に関する金額」だと説明している。
Moore Caymanはこの金額を提示し、「テザー社とグループ企業が保有する資産は、発行したデジタルトークンを償還するために必要な額を上回っている」と保証した。
CoinPostが提携する仮想通貨メディアTheBlockからコメントを求められたテザー社のStuart Hoegner顧問弁護士は、「発行されているトークンは全て、常に資産に裏付けられている」と回答。
裏付け資産の内訳については、「ステーブルコインのUSDCなどと同様に、現金と現金同等物だ」と説明した。
テザー社は四半期ごとの報告書も開示することになっているため、Q1(1〜3月)の裏付け資産についても、これから公開される予定となっている。