- 「プラットフォーム提供」と「詐欺幇助」を明確に区別
- 「悪いのはコードではなく詐欺師」との論理が支持される
集団訴訟が全面的に棄却
分散型取引所ユニスワップは2日、2022年から続く集団訴訟の全面的な棄却を勝ち取った。
米ニューヨーク南部地裁のキャサリン・ポルカ・ファイラ判事が同日の意見書で判決を下した格好だ。スマートコントラクトの作成者(ユニスワップ)に対して、第三者によるそのプラットフォームの不正使用の責任を問うことは不合理との以前の意見を繰り返している。
この訴訟は2022年4月、トレーダーのグループが原告となって、ユニスワップが証券法に違反し、未登録有価証券であるトークンを提供していたと提訴したものだ。証券法で規制できなかったことで、詐欺的なトークンの上場を許したと主張していた。
原告は、トークン発行者の正体が不明だったために、そのトークンが上場していたプラットフォームの開発者であるユニスワップ・ラボに責任を求めていた。
2023年、地裁での第1審の際も、ファイラ判事は今回と同様の理由を述べて原告の訴えを退けている。原告の損害に関連するコントラクトは、被告(ユニスワップ)が提供しているものではなく、詐欺的トークン発行者により提供されたコントラクトの方だとも指摘していた。
関連:米地裁、仮想通貨分散型取引所ユニスワップ(Uniswap)に対する集団訴訟を棄却
DEXとは
ブロックチェーン上に構築される非中央集権型取引所。「分散型取引所」の英訳である「Decentralized EXchange」から「DEX」とも呼ばれる。中央管理者を介さずに当事者間で直接取引を行う。
その後原告は第1審の判決を不服として控訴。だが2025年、控訴裁判所も地裁の判決を支持し、証券法違反に関する部分はすべて棄却となった。今回は、消費者保護法など残りの州法に基づく申し立ての部分が、地裁に戻されて審査された格好だ。
その結果、地裁は原告が詐欺、消費者法に基づく詐欺行為などがあったことを合理的に主張できなかったと判断。数年の裁判に終止符が打たれた。
判事は、「詐欺が行われるプラットフォームを単に提供することと、その詐欺を実質的に幇助することとは同じではない」と指摘。銀行の口座が資金洗浄に使われたとしても、銀行が幇助したことにはならないのと同じ論理だとしている。
また、ユニスワップ・ラボがブログや利用規約を通じて、プロトコル上での取引には詐欺のリスクがあることを事前に警告していたことにも言及。原告の損害の直接的な原因はトークン発行者による虚偽説明だとも述べた。
DeFi訴訟で「新たな先例に」
ユニスワップ・ラボの法務顧問兼ポリシー責任者であるブライアン・ニスラー氏は、今回の判決はDeFi(分散型金融)における「新たな先例となる」ものだと評価している。DeFiに関する判例がまだ少ない状況での重要性を示唆した形だ。
また、ユニスワップの創設者ヘイデン・アダムズ氏も、判決の要点は「オープンソースのスマートコントラクトコードを記述し、そのコードが詐欺師に使用された場合は、オープンソース開発者ではなく詐欺師が責任を負うことになる」ことだとまとめ、「理にかなった結果になった」と述べた。
関連して昨年8月、米司法省の刑事局長代理は「悪意なくコードを書くこと自体は犯罪ではない」という見解を示している。
前提としては、ソフトウェアが真に分散化されており、ピアツーピア取引のみを自動処理していることが示され、第三者がユーザー資産の保管と管理を行っていないことを挙げた。
このことを背景に、仮想通貨の出所を分からなくするミキシングサービス「トルネードキャッシュ」の創設者を擁護する声も上がっている。
関連:米司法省高官「悪意なくコードを書くことは犯罪ではない」 トルネードキャッシュ有罪判決後に
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