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植田総裁が表明──日銀、ブロックチェーン活用の当座預金決済実験に着手

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 当座預金のブロックチェーン決済を実験
  • メガバンクステーブルコイン連携も視野

銀行間決済の刷新を検討

日本銀行の植田和男総裁は3日、金融機関がブロックチェーンを活用して日銀に預け入れる当座預金を決済するサンドボックス実験を進めていると表明した。ザ・ブロックや日本経済新聞が報じ、コインポストも前日の日本経済新聞の事前報道を受けて伝えていた。

植田総裁は東京で開催された『FIN/SUM 2026』において、「新たな金融エコシステムと中央銀行の役割」と題した演説を行い、日銀はブロックチェーン上の当座預金という形で中央銀行マネーを利用した幅広い決済のサンドボックス実験に取り組んでいると述べた。外部の専門家も交えながら、既存システムとの接続方式の検討や、国内の銀行間決済・証券決済といったユースケースの精査を進める方針も示した。

日銀における「当座預金」とは、個人が銀行に持つ預金口座とは異なり、民間銀行が日本銀行に預け入れる資金のことだ。銀行同士が資金をやり取りする際の最終的な決済手段として機能しており、いわば金融システムの「決済の土台」にあたる。

1日の日経新聞の事前報道によれば、日銀は当座預金の一部をブロックチェーン上でトークン化し、企業や銀行の決済に活用することを構想しており、民間金融機関との共同実証も計画。日銀は昨年5月にCBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する「第2次中間整理」を公表しており、個人向けのデジタル円構想と並行する形で、今回のホールセール(銀行間)決済向け基盤整備の検討が本格化した経緯がある。

関連:日銀、当座預金のトークン化を構想=報道

ブロックチェーンを日銀当座預金の決済基盤に取り入れた場合、現行の日銀ネットが稼働しない土日・夜間を含めた24時間365日の大口即時決済が可能になる。決済コストの削減やスマートコントラクトを用いた条件付き自動決済、国際送金の時間・コスト短縮も期待されており、3メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)が共同で検討を進めるステーブルコインとの技術連携も視野に入る。

植田総裁は演説の中で、中央銀行はトークン化やプログラマブルマネーによって形成されつつある「新たな金融エコシステム」に適応しなければならないとも強調した。

また、スマートコントラクットのコードエラーが金融安定への直接的な脅威になりうるとも指摘しており、実用化にあたっては技術リスクの検証を前提条件としている。

日銀によるブロックチェーン決済実験の正式表明は、G7中央銀行によるホールセール決済インフラへの分散台帳技術導入を巡る動きを一歩前進させるものだ。外部専門家の選定やサンドボックスの技術的成果の公表が次の注目点となる。

関連:ステーブルコイン・CBDC・トークン化預金は共存できるか 官民が「通貨の新OS」を議論|MoneyX 2026

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