はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ステーブルコインで買い物する時代へ、3社が語るリテール実装の現在地|MoneyX2026

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインが切り拓くリテール決済の未来

次世代金融カンファレンス「MoneyX」では27日、「ステーブルコインが切り拓くリテール決済の未来」と題したパネルセッションが開催された。

Visa加盟店で使えるステーブルコイン対応カード、QRコード決済による店頭実装、ウォレットを軸とした手数料ゼロの決済基盤など、この1年で急速に広がったリテール決済の具体的なユースケースが報告された。

一般社団法人日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)代表理事会長の小田玄紀氏がモデレーターを務め、以下の三名がパネリストとして登壇した。

  • 佐藤伸介氏(SLASH VISION CEO)
  • 安達源氏(株式会社ネットスターズ 取締役CFO)
  • 吉田世博氏(株式会社HashPort 代表取締役)

カード・QRコード・ウォレットで進む店頭実装

「Slash Card」を紹介する佐藤氏

SLASH VISIONの佐藤氏は、USDCを即時チャージして全国のVisa加盟店で利用できるクリプトカード「Slash card」を紹介した。加盟店側は通常のVisaネットワークで日本円を受け取るため、ステーブルコインを意識する必要が一切なく、「社会実装に一番近いものではないか」と語った。

ネットスターズの安達氏は、同社が運営する決済ゲートウェイにUSDCを追加し、羽田空港でQRコード決済のPoC(実証実験)を開始したことを報告した。QRコードリーダーがあれば使うことができ、加盟店への精算もすべて日本円で行われる。安達氏は「想像の遥か上の数字が毎日決済についている」と手応えを語り、同社の1万7000社の加盟店網への展開に意欲を示した。

HashPortの吉田氏は、同社のノンカストディアルウォレットが116万ダウンロードを達成し、JPYCユーザーの84%がHashPortウォレットを利用していると報告。昨年末にはPontaポイントからステーブルコインへの交換やau PAYギフトとの接続を開始したほか、後払い型クリプトクレジットカードも発行した。また、店頭QRコード決済では取引手数料をゼロとし、ユーザーが「HashPort Wallet」を利用した場合、ガス代もHashPort負担とすることで「Web2に近い決済体験」を実現していると述べた。

ステーブルコイン決済をどう広げるか

小田氏がユーザー側のメリットについて問いかけると、各登壇者からビジネスモデルの根幹に関わる議論が展開された。

佐藤氏は手数料ゼロの継続には慎重な立場を示し、「周りのディストリビューターが商売にならなくなる」と指摘。一方で、ドルをはじめとする外貨を日本国内で自由に使えるというステーブルコインならではの価値を強調し、「できないことをブロックチェーンで実現することに価値がある」と述べた。今後は日本円ステーブルコインなど多様なステーブルコインへの対応を進める方針を示した。

安達氏はQRコード決済の黎明期を振り返り、「銀座一丁目から八丁目まで営業をかけたが誰にも相手にされなかった」と語った上で、ステーブルコインは黎明期のQRコード決済以上に認知度が浸透している点を指摘。加盟店がステーブルコイン決済で浮いたコストを使いステーブルコインに対し、自らプロモーションをかけるという、従来とは異なるビジネスモデルの可能性にも言及した。

吉田氏は、WeChat PayやAlipayが少額決済の手数料を無料にして資金をプラットフォーム内に滞留させるモデルを引き合いに出し、HashPortも同様にウォレット内での資金滞留を促す戦略を明らかにした。さらに、AI時代にドル建てステーブルコインだけが普及すれば日本経済が取り残されると警鐘を鳴らした。「日本円の決済インフラを作るということに非常にフォーカスしている」と強調した。

「3年以内に大きなマーケットに」各社が描く次の一手

佐藤氏は、金融庁との対話のもと電子決済手段等取引業のライセンス取得を進めており、カードシステム内に日本円とステーブルコインの双方向交換を実装する計画を明らかにした。「日本人が通貨を選択できる未来を実現したい」と述べた。

安達氏は羽田空港での実証実験を皮切りに、通貨・チェーン・ウォレットを問わず「来るもの拒まず」のスタンスで加盟店展開を拡大する方針を示した。吉田氏は「ステーブルコインはAI時代の主要な通貨になる。それを国産で行うことが重要だ」と締めくくり、小田氏は「3年以内に非常に大きなマーケットになっている」との見通しを示してセッションを終えた。

▼MoneyXとは

MoneyXは、ステーブルコインの正式認可が切り拓く「通貨の新時代」をテーマとした次世代金融カンファレンス。国内外から金融業界の有識者、大手金融事業者、スタートアップ、投資家、規制当局が集結し、技術革新・制度設計・社会実装をめぐる議論を展開する。参加登録は無料・承認制。日本最大のWeb3カンファレンス「WebX」を主催するWebX実行委員会が主催し、JPYC、Progmat、SBIホールディングス、CoinPostが企画・運営に携わる。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/10 火曜日
16:10
イーサリアム財団とVirtuals Protocol、AIエージェント間取引規格「ERC-8183」を発表
イーサリアム財団とVirtuals Protocolが、AIエージェント間の商取引を標準化する規格「ERC-8183」を共同発表。エスクローと評価者の仕組みで、信頼なしの取引を実現する。
14:34
ソラナ現物ETFにゴールドマン・フィデリティも参入、機関投資家の本格買いが鮮明に=専門家
ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなど主要金融機関が現物ソラナETFを保有していることが、13F申告データで判明。資産の約50%を機関投資家が保有する。
13:35
CFTC元委員長「銀行こそがクラリティ法を必要としている」、米金融デジタル化の遅れに懸念
元CFTC委員長クリス・ジャンカルロ氏が、仮想通貨市場構造法「クラリティ法案」の必要性を訴えた。規制の不確実性を許容できない銀行業界こそ最大の受益者であり、法案停滞が続けば米金融インフラが欧州・アジアに後れを取ると警告。
13:20
韓国当局、ビッサムに一部営業停止の暫定通告 
韓国の金融当局が、仮想通貨取引所ビッサムに法律違反で6か月の一部営業停止とCEO問責を通告した。内容が確定したものではないが、一連の規制強化の動きの一環となる。
12:57
Ethereum Japan ワーキンググループが発足「国内企業のRWA参入に共通基準を」|WG設立記念イベント
Ethereum Japanは国内企業のオンチェーン利活用推進を目的としたワーキンググループを設立。権限管理や監査対応など実務上の共通基準策定を目指し、Fracton Venturesやアライドアーキテクツなどが参画する。
11:40
ハイパーリキッド、原油の永久先物取引高が急増
仮想通貨ハイパーリキッドのブロックチェーン上における原油の永久先物取引がイラン情勢を受けて活発化。24時間の取引高でイーサリアムを上回っている取引ペアがある。
11:25
bitFlyerなど国内取引所の出来高が急増、株安・円安の影響か
bitFlyerの24時間取引高が前日比200%増と急増し、コインベース(112%増)やバイナンス(75%増)を大きく上回った。株安・円安が重なる中、日本の投資家が仮想通貨に殺到した。
11:15
ブータン政府、175BTCを移動確認 2026年のビットコイン売却総額が67億円に到達
アーカムのオンチェーンデータによると、ブータン王国政府が主要保有アドレスから約20億円のビットコインを移動させた。2026年に入ってからの累計流出額は67億円に達し、政府の段階的な売却が再び話題となった。
10:20
ジャック・ドーシー、ビットコイン特化戦略軟化やAI解雇の詳細を語る=報道
米ブロック社のドーシーCEOが、ビットコイン特化戦略を軟化させステーブルコインを導入した背景や、AIによる効率化で従業員を大幅削減したことについて詳細を語った。
09:45
コインベース、欧州26カ国でビットコインやイーサリアム先物取引を開始
コインベースが9日、欧州26カ国を対象にコインベース・アドバンスドを通じた規制準拠の仮想通貨先物取引を開始した。ビットコインとイーサリアムに最大10倍のレバレッジが適用でき、欧州のトレーダーがオフショア取引所に頼らずデリバティブ取引を行える環境が整いつつある。
09:29
スイスAMINA銀行、EU規制型ブロックチェーン証券市場に初の銀行として参加
この記事のポイント 国債・社債などのトークン化証券を対象に RWA市場は約4兆2,000億円に拡大 EU初の規制型DLT取引所「21X」に参画 スイスの仮想通貨銀行AMINA …
09:00
ビットコイン50万円上昇、中東危機で浮上した「無政府資産」の真価|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは、WTI原油が一時3年9か月ぶりとなる119ドルを記録し、市場全体がパニック的な動きを見せる中、価格は一時50万円以上の上昇となった。
08:20
イーサリアム財団、ETHステーキング運用を開始 ビットワイズ製インフラを採用
イーサリアム財団がビットワイズ・オンチェーン・ソリューションズのオープンソース基盤を採用し、財務準備資産のETHステーキングを開始した。最大7万枚ETHの運用を通じ、ネットワーク安全性の強化と財団の財務自立を同時に図る方針。
07:40
仮想通貨投資商品、2週連続で資金が純流入
コインシェアーズは、仮想通貨ETFなどのデジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約977億円の純流入だったと報告。原資産別ではビットコインが流入を主導した。
07:00
米保険分野で初、エーオンがステーブルコインによる保険料決済を導入
英米に拠点を置く保険ブローカー大手エーオン(Aon)が、業界初となるステーブルコインでの保険料決済を発表。米イラン紛争を背景としたロンドン市場での海上保険料の記録的高騰動向と合わせて解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧