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米マイニング大手Hut8、1GWのAIデータセンターの完全商業化 15年間98億ドルの追加契約締結  IRENは28億ドル契約でAIクラウド目標を40億ドル超に上方修正

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • Hut8、1GW全容量の商業化を達成
  • IRENも急成長

供給能力、全容量の契約が完了

米ナスダック上場企業Hut 8(ハット・エイト)は20日、米テキサス州ヌエセス郡のAIデータセンター「Beacon Point(ビーコン・ポイント)」において、第2フェーズとなる352メガワット(MW)のIT容量を対象とする15年間・98億ドルの長期リース契約を締結したと発表した。

契約先は、第1フェーズのリース契約を締結済みの投資適格企業で、今回の契約拡大により同社の契約済みIT容量は、352MWから704MWへと倍増した。

Hut 8は、第1フェーズのデータホールをNVIDIAの「DSX」リファレンス・アーキテクチャに適合するよう再設計したことで、敷地面積や既存の電力枠を広げることなく、IT容量を57%拡大することに成功。この高効率化が決め手となり、既存テナントによる契約容量の「2倍への拡大」へとつながったと説明している。

その結果、Hut8がAEPテキサス社との接続協定に基づき確保していた1ギガワット(1,000MW)の受電容量が全て契約で埋まり、同キャンパスの全面的な商業化が達成された。Hut 8は、同施設を同社初の「完全に商業化されたAIデータセンターキャンパス」と位置付けている。

なお、1GWはキャンパス全体の電力容量であり、サーバー向けのIT容量とは異なる。IT容量は、冷却設備や電力変換設備などで消費する電力を除いた、IT機器向けの供給容量を指す。

Hut 8によると、本契約の基本契約期間の累計NOI(営業純利益)は98億ドル(約1.6兆円)で、稼働安定後は年平均6億5,500万ドル(約1,064億円)を見込んでいる。

キャンパス全体ではフル稼働時に、年間13億1,000万ドル(約2,129億円)のNOIとなると試算されており、契約延長オプション(3回)が全て行使された場合の最大契約価値は502億ドル(約8.1兆円)規模に達する見通しだという。

第2フェーズのAIデータセンターは2028年第2四半期から順次稼働を開始する予定となっている。

Hut 8が展開するAIデータセンター事業全体での契約済みIT容量は、「ビーコン・ポイント(704MW)」と「リバー・ベンド(245MW)」を合わせて計949MWに達した。基本契約期間中の総契約額は266億ドル(約4.3兆円)に上り、稼働後の年間平均NOIは17億5,000万ドル(約2,844億円)を超える見込みだ。

Hut8は、データセンター開発において「電力優先(パワー・ファースト)モデル」を採用している。これは、敷地と電力会社からの受電枠を優先的に確保した上で、資金調達や着工を進める手法で、最終的な電力の用途において高い柔軟性を維持できることが最大の強みだと同社は指摘する。

今回、全容量の契約が完了した「ビーコン・ポイント」キャンパスも、当初は関連会社であるアメリカン・ビットコインへの迅速な電力供給を目的として取得された用地だった。しかし、近年のAI需要の急増に合わせてAIデータセンターへと柔軟に事業転換したことで、高格付け企業との15年間に及ぶ超長期契約を結び、完全な商用化を達成した。

IRENの急成長

IREN(旧Iris Energy)は7月20日、ビットコインマイニングからAIクラウドインフラ事業への転換を加速させる中、2026年末時点のAIクラウドARR(年換算収益)目標を37億ドルから40億ドル超へ上方修正したと発表した。同社によると、新たに大手AI開発企業群と締結した総額28億ドル相当の多年クラウドサービス契約により、修正後目標の約85%がすでに契約済みとなっている。

IRENの顧客ポートフォリオには、マイクロソフト、NVIDIA、Perplexity、Figure AI、Together AI、Fluidstack、Fireworks AI、Fal AI、Hume AI、および名称非公開のAI開発企業が名を連ねる。

同社によると、今回の契約には関連GPU資本投資額の約45%に相当する顧客からの前払いが含まれており、設備投資に係る実質的な資金調達必要額を大幅に低減しているという。また、6月30日時点の現金および現金同等物の残高は約76億ドルに達している。

IRENは、ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)、一般企業、最先端AI開発ラボからの需要が、現在利用可能および計画中の容量を依然として上回っていると説明した。

同社の共同創業者で共同CEOを務めるダニエル・ロバーツ氏は、「当社の垂直統合型AIクラウドプラットフォームは急速にスケールアップしている」と指摘。過去12ヶ月間で自社構築AIクラウド容量を約3MWから今年提供予定の480MWへ拡大し、2027年には1.2GW(1,200MW)到達を目指す方針を示した。

Hut 8とIRENの今回の契約拡大は、マイニング業界全体でAIインフラ事業への転換が加速していることを象徴する動きだ。電力調達力とデータセンター運営ノウハウを持つマイニング企業にとって、AI向けデータセンター事業は有力な収益源となりつつある。

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