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国際決済銀行、XRP台帳を使ったデータ検証プロトタイプで論文公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 低コスト、迅速な処理能力などを評価
  • ブロックチェーンによる検証システムで概念実証

XRP台帳を試験的に採用

国際決済銀行(BIS)は2日、公式統計の真正性を検証するためのブロックチェーン技術を活用した新しいデータ検証フレームワークを記述した論文を公開した。XRP台帳(XRPL)を使ったプロトタイプを紹介している。

なおBISは、実運用する検証システムにXRPLを採用すると決定したわけではない。今回はシステムが技術的に機能するかを検証するための概念実証(PoC)の基盤としてXRPLを選んだ格好だ。また、論文に示された見解は執筆者個人のものであり、BISの公式見解や方針を反映するものではない。

使用対象となるデータの例としては、主に中央銀行、政府統計局、国際機関が発行する経済成長指標や物価・インフレ指標、金融・金利データなどの公式統計データを挙げた。

論文は、プロトタイプにXRPLを使った理由として、極めて低い手数料、迅速な処理、豊富な開発者リソース、技術的な分析実績の存在などを挙げている。

こうした特徴により、データの改ざん防止を担保するためのオンチェーン書き込みにかかる費用を最小限に抑えられ、リアルタイムに近い迅速な処理が可能。また、開発に必要なツールやドキュメント、安全性の分析が揃っているとも述べた。

特に、データをまとめてバッチ処理することで、データセット1件あたりのオンチェーン記録コストを無視できる程度にまで抑えられる高い経済性や、テスト条件下でデータの公開・発行にかかる時間が中央値3〜5秒、検証時間がわずか1〜2秒だったという迅速性が他のブロックチェーンより優位だと評価されている。

一方で、今回の検証システムは、特定のブロックチェーンに縛られない設計になっておりイーサリアム(ETH)やプライベート/許可型のブロックチェーンへの拡張や、複数チェーンへの並行公開が可能だ。

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システムの具体的な用途や目的

このプロトタイプは、将来的な拡張としてXRPLのEVM(イーサリアム仮想マシン)互換サイドチェーンや、スマートコントラクト機能を活用することも念頭に置かれたものだ。

これにより、台帳上に記録された検証済みの経済データ(GDP成長率やインフレ率など)と連動して自動実行される、プログラム可能なデジタル資産(インフレ連動債やデリバティブなど)の決済基盤などとして利用されることも視野に入れている。

その他の用途と目的としては、まずデータの健全性を証明することがある。データセット全体のハッシュ値や、複数のデータをまとめたマークル・ツリー(大量のハッシュ値を1つのルート値にまとめるツリー構造の仕組み)のルートを、XRPLのトランザクション内にある「メモ(Memos)フィールド」に書き込んで記録する格好だ。

また、データが本物の発行元から配信されたものであることを証明するために、XRPLの軽量スマートコントラクト機能である「Hooks」を活用したオンチェーンの認証レジストリを構築・運用する。

今回の論文は、XRPLには機関投資家的な用途に耐えうる技術的な正当性があると示す一つの例となった。ただし現段階では概念実証であり、今回のシステムの実運用を決定するものではない。また1回のトランザクションで大量のデータを効率的に検証できる仕組み上、仮想通貨XRPの手数料消費は限定的とみられる。

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