トルコ仮想通貨取引所「Thodex」の騒動に進展、関係者62人を拘束=報道
仮想通貨取引所の騒動に進展
トルコの捜査当局が23日、同国の暗号資産(仮想通貨)取引所Thodexの関係者62人を拘束した。同国の国営通信Anadoluが報じた。
Thodexは21日に取引等サービスが突如停止され、利用者らはインターネット上の口座にアクセスできなくなったとして、詐欺などの疑いで告訴していた。代表弁護士はFaruk Fatih Ozer CEOが数億ドルに相当する仮想通貨資産を持って国外逃亡したと主張している。
当局は、アルバニアに逃亡したとされているOzer CEOを国際指名手配した。
同CEOは詐欺の容疑を否認しており、「同社は取引所における顧客の元の預金と同等の資金を保管している」、「顧客に影響はない」などと主張。一方で、投資家の一人は業界メディアDecryptの取材に対し、「Ozer氏は顧客が仮想通貨で得た利益も借り入れている。しかし、それはお金を取り戻せない状況よりはましだ」と語ったという。
事件の経緯
今回の事件でThodexでは、39万人の顧客に影響が生じた可能性があるとされている。当初、「外部からの出資のために、5日間取引所を停止し続ける」との文言はあったが、現在サイトは「404 Not Found」という表示になりアクセスできない状態になっている。
今回の事件による影響かどうかは不明だが、先日、ブルームバーグが引用した地元メディア「Haberturk」は、顧客の損失額は2,000億円以上に及ぶと指摘。またCEOは「逃亡する前に当局に自首するか自殺するか考えたが、どちらを選んでも顧客の資金は決して回収されない」、「いつかトルコに戻って必ず返済し、正当な裁判を受ける」と語ったという。関連情報が錯綜しており、CEOの主張には一部矛盾した部分も見られる。
これを受け、地元の警察当局はThodexの銀行口座を凍結し、会社の強制捜査を行っている状況だ。また、Erdogan大統領のシニア経済アドバイザーを務めるCemil Ertem氏はブルームバーグに対し、ねずみ講に言及。「政府は規制を制定し、早急にアクションを起こす必要がある」と警鐘を鳴らした。
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Vebitcoinにも捜査のメス
さらに、当局は財政負担を理由に取引を停止していたトルコの仮想通貨取引所Vebitcoinとその運営会社への捜査も開始したことを公表。また、国営通信Anadoluによると、トルコ当局は国内仮想通貨交換業者の全ての国内銀行口座を凍結した。
トルコの中央銀行は先日、4月30日より、仮想通貨による決済を全面禁止する方針を発表したばかりだ。
同国では、仮想通貨の取引および決済利用が盛んに行われている。その背景には、不安定な経済政策などが招いた法定通貨トルコリラのインフレーションがあり、多くの国民は、米ドルなどの外貨のほか、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨を資金の避難手段として利用している。決済の全面禁止がもたらす今後の影響には要注目だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します