トルコ取引所で
21日に取引等サービスが突如停止されたトルコの(暗号資産)仮想通貨取引所Thodexで、CEOが顧客資産を持ち逃げした可能性があるとして裁判沙汰に発展した。ブルームバーグが報じた。
報道によると、一部の顧客はThodexにアクセスできないことについて苦情を上げている。代表する弁護士は同取引所のFaruk Fatih Ozer CEOが数億ドルに相当する仮想通貨資産を持ってトルコを逃亡したと主張しているという。
事件の経緯
2017年創業のThodexでは、39万人の顧客に影響が生じた可能性がある。当初「外部からの出資のために、5日間取引所を停止し続ける」との文言はあったが、現在サイトは「404 Not Found」状態にある。
今回の事件の影響は不明だが、ブルームバーグが引用した地元メディア「Haberturk」は、顧客の損失額は2000億円に及ぶと報告。CEOは「いつかトルコに戻って必ず返済し、正当な裁判を受ける」という旨を伝えているという。
これを受け、地元の警察当局はThodexの銀行口座を凍結し、会社の強制捜査を行っている状況だ。また、Erdogan大統領のシニア経済アドバイザーを務めるCemil Ertem氏はブルームバーグに対し、ねずみ講に言及。「政府は規制を制定し、早急にアクションを起こす必要がある」と警鐘を鳴らした。
トルコの仮想通貨市場に関しては、トルコ中央銀行は先週、4月30日より、仮想通貨による決済を全面禁止する方針を発表した。この方針では、インフレーションが続く同国通貨トルコ・リラの利用を回避する国民にとって大きな影響がもたらされると指摘されている。