バイナンス「株式トークン」が規制違反の可能性、独規制当局が指摘
バイナンス株式トークンに法的な問題?
ドイツの連邦金融監督庁(BaFin)は28日、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスが提供する「Binance Stock Tokens(株式トークン)」について声明文を公開し、規制違反に該当する旨を伝えた。
バイナンスは4月上旬にBinance Stock Tokensという株式をトークン化し取引できるサービスの提供を開始。現在、テスラ・コインベース・マイクロストラテジー・アップルなど、計4社のトークン化された株式を取り扱っている。
BaFinは28日に公表した声明文にて、バイナンスは株式トークンを提供する前に、目論見書を事前に提出しなかったことを指摘。目論見書提出の義務を違反した場合、最大で約6.5億円(500万ユーロ)の罰金が科せられる可能性があるとした。
また、BaFinは「取引所で投資家同士の取引が可能か」、「株式の『配当』のような権利が付いているか」、「現金決済が可能か」という点において目論見書を提出する義務があると指摘していた。
先週時点でも、英メディアFinancial Timesなどは欧州と香港の規制当局がバイナンスの株式トークンの合法性を巡って調査を行なっていると報じた経緯がある。
Bafinのほかにも、英金融行為規制機構(FCA)なども含まれた欧州の規制当局はトークン自体が有価証券に該当しないか等を確認するために、プロダクトの内容や適用されるルール、流通の仕組みを調べていることが報道された。
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また、当時の報道を受け、CoinPostがバイナンスに取材したところ、「このトークンはライセンスを持つCM-Equityのプロダクトであり、欧州連合の規制『MiFID2』とドイツBaFinの規制に準拠している」と担当者は回答していた。
なお、バイナンスの発表によると、この株式トークンサービスは、ドイツのライセンスを持つ証券会社「CM-Equity」と、トークン化ソリューションを提供する「Digital AssetsAG」との提携によって実現したもの。取引には本人確認手続き(KYC)が必要で、米国、中国本土、トルコやその他制限された地域はサービス対象外となっている。
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