バイナンス、NFTマーケット構想を発表
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは27日、NFT(非代替性トークン)の取引プラットフォーム「Binance NFT」のローンチ計画を発表した。
ビジュアル・アートや音楽、ゲームからスポーツ、メタバースなど様々な分野のデジタル・コレクタブル(NFT)を取り扱うグローバルマーケットプレイスとして、21年6月のローンチを目指す。
バイナンスNFTでは、取引所と同じアカウントが引き継がれる仕組みで、他の機能と同時にNFTマーケットプレイスへのアクセスができる。サイトのランディングページは本日から公開されており、アーティストやクリエイターは連携について連絡することが可能だ。
CoinPostの取材に答えたバイナンスの担当者によれば、NFTの売買や取引ではまずバイナンスコイン(BNB)が活用される見込み。ただ長期的にはイーサリアム(ETH)やトロン(TRX)、Flow(FLOW)、Waxなどのブロックチェーンにも対応し、それぞれの仮想通貨でも取引が可能になるとした。
また、OpenSeaなどRaribleなど他のNFTマーケットプレイスとの差別化できる点として以下の4点を挙げた。
- バイナンスの誇る仮想通貨界隈で最大のユーザーベース
- 多数のプロジェクトとコミュニティを持つBSC(バイナンス・スマートチェーン)のエコシステム
- 高い流動性と低い手数料
- 優れたUX
バイナンスは中央集権的な取引所(CEX)に該当するため、UXが優れていると説明。ネットワークの遅延も少ないため、NFTの取引もスムーズに行えることを利点として挙げた。
さらにバイナンスのアカウントがあればすぐにバイナンスのNFTプラットフォームにログインできるため、新規ユーザーにとっての敷居も低いと説明している。
NFTマーケットプレイスのモバイル版(iOS版とAndroid版)も後日リリースされる予定となっている。
マーケットプレイスの詳細
バイナンスNFTマーケットプレイスは「プレミアムイベント」と「取引マーケット」の主な二つのパートがある。ユーザーは異なるチェーンからアートをデポジットしたり、新たにNFTを製作・ミント(鋳造)することが可能となる格好だ。
「プレミアムイベント」では世界的な展示やオークションから選択された作品が公開され、落札額の10%がバイナンスに、90%がNFTの製作者に分配される仕組みとなる。
一方、「取引マーケット」ではユーザーは自身でクリエーターとなり低コストで自分のNFT発行が可能に。さらに既に保有しているNFTをバイナンスのNFTプラットフォームで販売、またはオークション形式で販売することができる。
取引手数料は1%となるが、NFTの製作者又はアップロードしたユーザーは永続的にロイヤリティ料が支払われる仕組みとなっており、アーティストとしては価値のあるNFTを製作することで、より多くのインセンディブがもらえる。
バイナンスのCEOであるCZ氏は、「バイナンスNFTマーケットプレイスは高い流動性と低い手数料を提供することでクリエイターをサポートしていく」とコメント。またNFTプロジェクトの責任者であるHelen Hai氏は「バイナンスブロックチェーンのインフラとコミュニティを生かして、世界最大級のNFTトレーディングプラットフォームを提供したい」と語った。
事業拡大進むバイナンス
バイナンスは仮想通貨取引を主軸としているが、直近ではDeFi(分散型金融)プラットフォームとして活用拡がる「バイナンス・スマートチェーン(BSC)」の躍進がめざましい。
バイナンス・スマートチェーンは、バイナンスが20年9月にローンチした独自のブロックチェーン。イーサリアム仮想マシン(EVM)を導入しているため、スマートコントラクト機能を実装が可能である。dApps(分散型アプリ)を構築したり、独自トークンのバイナンスコイン(BNB)を活用したステーキングができため、プラットフォームとしての人気を強めている。
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DeFiデータ分析サイトDappRadarによれば、4月時点でBSC上では360以上のdAppsがローンチされており、21年の第一四半期(1月から3月)においてはGoogle検索数でイーサリアム(ETH)を上回った。
4月には、従来の株式をトークン化した「Binance Stock Tokens」のローンチを発表。テスラやコインベース、アップルの株式トークンの取り扱いをすでに開始しているほか、マイクロストラテジーやマイクロソフトの株式トークンの提供も控える。
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