米オハイオでビットコイン振り込め詐欺多発、FBIも対策に乗り出す
米オハイオでビットコイン送金詐欺
米国オハイオ州で、ビットコイン(BTC)ATMから資金を犯人に送金させる振り込め詐欺が増加している。米連邦捜査局(FBI)も対策に乗り出した。
オハイオ州クリーブランド、カヤホガ郡の消費者庁とFBIは、この詐欺と戦うために「Scam Squad(詐欺対策部隊)」に参加するようビットコインATMを設置する店舗に呼びかけており、警告標識を送付している。
ビットコインATMの近くに設置して、被害者になる可能性がある者に警告するものだ。
地元メディアCleveland 19の記者が紹介した画像には「騙されていませんか?」という見出しの標識が写っている。誰かにIRS(米内国歳入庁)関連の支払いや公共料金などのためにビットコインが必要だと言われても、送金してはいけないと注意する内容だ。
振り込め詐欺の手口
Cleveland 19によると、手口は様々である。
ある事例では、詐欺師がある夫婦の息子になりすまして、ビットコインで9,000ドル(約98万円)を送金するように要請した。拘置所に入っており保釈金が必要だという理由を挙げ、電話口には息子の弁護士と名乗る人物も登場。さらにコロナウイルス対策で、まもなく刑務所は60日間閉鎖されるとして緊急性を上げるなど、巧妙な事例もあるという。
電話口の声が息子だと信じた夫婦がビットコインを振り込もうとしていたところ、ATM設置店舗のオーナーが詐欺に気付き、事なきを得ている。日本で以前より問題となっている、銀行ATMなどから送金させる詐欺にも類似した手口だ。
また他の事例では、詐欺師が社会保障局の人間だと偽り、被害者の社会保障番号が麻薬密売、マネロンその他の違法行為に使われていると主張し、状況を解決するためにビットコインATMを介して送金するように促している。
FBIが注意呼びかけ
ビットコインATM追跡ウェブサイトCoin ATM Radarによると、オハイオ州クリーブランドには212のビットコインATMがある。ただ、これまでに発生した、ビットコインATMを使用する犯罪の正確な数は分かっていない。
FBIのクリーブランド特別捜査官Vicki Anderson-Gregg氏は仮想通貨メディアThe Blockに次のように語った。
こうしたタイプの詐欺に関して件数を把握することは実に難しい。人々は騙されたことを恥ずかしく思い、その犯罪を報告しないからだ。把握されているよりも、実際の発生件数ははるかに多いと考えられる。
一度送金されてしまえば、資金をとり戻すことは困難であり「人々が被害者にならないように、この詐欺についての情報を広めたい」とAnderson-Gregg氏は続けた。
また、Bryan P Smith特別捜査官補佐も「教育と予防は、金融詐欺の被害者を出さないための最良のツールだ」と話し、次のように注意喚起した。
詐欺はどんな手口でも行われる可能性がある。仮想通貨を含め、あらゆる形式で送金する前に、それが事実なのか検証することが不可欠だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します