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米SEC、仮想通貨関連の執行件数が6割減 トランプ大統領の利益相反を議員が指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

議会から集中砲火

米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長が12日、下院金融サービス委員会の公聴会に出席し、民主党議員からジャスティン・サン氏とバイナンスに対する法的措置の取り下げ、およびトランプ大統領と仮想通貨業界との利益相反について集中的な追及を受けたと、複数のメディアが報じた。

コーナーストーン・リサーチのデータによると、2025年のSECによる執行件数は前年比30%減少し、仮想通貨関連案件に限れば60%減という大幅な落ち込みを記録した。SECは2025年5月にバイナンスへの訴訟を取り下げたほか、トロン創設者のサン氏に対する訴訟も同年2月に一時停止を申請、和解交渉の余地を残したままとなっている。

バイデン政権下のSECは2023年、サン氏を未登録証券の販売やTRXトークンのウォッシュトレーディングによる価格操作などの疑いで提訴、同年にはバイナンスを無許可サービスの提供と虚偽説明を理由に訴えた。その後、バイナンスとその創業者チャンポン・ジャオ氏(CZ氏)は銀行秘密法違反を認め、司法省の調査を解決するために40億ドル超の支払いに合意した。

トランプ大統領が昨年CZ氏を恩赦した後、トランプ一族が関わっている仮想通貨企業「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)」が発行するステーブルコインをアブダビの投資会社がバイナンスへの20億ドル出資に活用していることも判明し、利益の流れが複雑に絡み合う構図が浮かび上がった。ブルームバーグはトランプ氏の仮想通貨事業からの収益をWLFIを含め約14億ドルと試算している。

関連:米民主党議員、トランプ一族関与のワールドリバティを調査開始 UAE王族による5億ドル投資巡り

スティーブン・リンチ議員は「SECが被っている信頼失墜は目を覆うばかりだ」と批判し、「あなた(アトキンス委員長)が責任者だから、説明を求めている」と迫った。シルビア・ガルシア議員はトランプ氏や閣僚がアトキンス委員長に特定の執行行動を指示したことがあるか尋ね、委員長は「ない」と否定し、「SECは現在も活発な執行活動を継続している」と反論した。

一方、SECはCFTC(商品先物取引委員会)と連携し、仮想通貨規制の共同整備を開始している。アトキンス委員長はリスクを抑えた環境下で新規商品の上市を迅速化する「イノベーション免除制度」を近く公表する方針を示し、「透明性と投資家保護を核に据えたサンドボックス型の仕組みだ」と説明した。

SECの仮想通貨執行件数の急減と、トランプ一家の仮想通貨利益に絡む疑惑は、包括的な市場構造法案の立法作業にも影を落としており、規制の信頼性と独立性をどう担保するかが今後の焦点となる。

関連:米SECとCFTC、仮想通貨規制で協調へ 「プロジェクト・クリプト」を共同推進

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