NFT最大規模のNBA Top Shotは未登録有価証券か? 米国で訴訟事例
NBA Top Shotのコンテンツが有価証券?
NBAを題材にした人気ブロックチェーンゲーム、NBA Top Shotは、モーメントと呼ばれるコンテンツの販売が連邦証券法に違反しているとの訴えが起こされた。
モーメントはNBAの選手のプレー動画などをNFT化したもので、NBA Top Shotの中心となるコンテンツ。通常、カードパックとして個数を限定して販売されており、ユーザーは購入したパックを開封することでモーメントを手に入れる。
モーメントにはレアリティもあり、手に入れたNFTは、他のユーザーに売却し利益をあげることが可能だ。
数ヶ月間資金を引き出せない仕組みも指摘
訴訟はNBA Top Shotを開発したDapper LabsとRoham Gharegozlou CEOに対するもので、バージニア州在住の投資家Jeeun Friel氏によって起こされ、5月12日にニューヨーク州の裁判所に提出された経緯がある。スポーツ業界紙のsportico.comによると、訴訟は損害賠償を求め、集団訴訟を計画しているという。
Friel氏はSEC(証券取引委員会)の提供する「デジタル資産「投資契約」分析のフレームワーク」の解釈に基づき、モーメントが他者の努力に由来する合理的な利益の期待のある『共同事業(common enterprise)』への投資に当たるとし、有価証券であると主張。
また、Dapper Labsは投資家が資金を引き出すのに数ヶ月という期間を設けることも指摘し、これによってモーメントの市場とその価値を「下支え」されていたという。
今回の訴訟は、一部のNFTの有価証券性が問われる最初の事例となったようだ。これまで有識者らはNFTに関する有価証券の要素の有無について議論を行ってきた経緯がある。
Dapper Labsについて
Dapper Labsは2017年にブロックチェーンゲーム、CryptoKittiesを成功させると、その後は独自ブロックチェーンFLOWの開発を行うと同時に、NBAを含む様々な団体との提携を行っている。
NBA Top Shotは、NBAのライセンスのもとリリースされたゲームであり、販売されたカードパックは即完売するなどし、スポーツ団体と提携したNFTゲームの成功例となった。
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また、今年の3月、Dapper Labsは26億ドルの評価を受け資金調達を実施している。今後、総合格闘技団体のUFCと提携したNFTコレクションゲームのローンチも計画しており、NBA Top Shotと同じく選手を扱ったNFTなどがメインのコンテンツになると予想される。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します