仮想通貨企業の資金調達が活発化
ベンチャーキャピタルから、ブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)関連企業への投資が加速している。
データ分析企業CB Insightsの報告によると2021年第1四半期には、ブロックチェーン分野で129社のスタートアップが資金調達を行い、合計約26億ドル(約2,850億円)を集めた。ブルームバーグが報道した。
これはすでに2020年の総額を上回っている。昨年には341件の資金調達が実施され、23億ドル(約2,520億円)が集まっていた。
また、仮想通貨メディアThe Blockによると、2021年第1四半期には仮想通貨部門に絞っても、すでに昨年全体を上回る数の大型資金調達が行われている。
2020年は、1億ドル(約110億円)を超える案件は4件だけであり、5,000万ドルから1億ドルの規模の案件は3件存在した。
しかし今年は第1四半期だけで、すでにBlockFi、NYDIG、Dapper Labs、FireBlocks、Blockchain.comなどがそれぞれ1億ドル以上の調達を行っている。その他にも、5,000万ドルから1億ドルの大型案件が7件実施された。
これにより、2020年の同部門の平均調達規模は570万ドルだったところ、2021年は、これまでの平均調達規模が1,270万ドル(約14億円)にまで上昇したという。
1億ドル超の事例
Dapper Labs
NFT市場をけん引するDapper Labsは、3億ドル(約330億円)以上を調達した。
同社は、「クリプトキティ(CryptoKitties)」の開発会社であり、独自ブロックチェーン「Flow」基盤で展開する米プロバスケットボールリーグ「NBA」のブロックチェーンゲームを提供している。
ファンが、バスケットボール選手のデジタルカードを集めることのできるコレクティブルゲームであり、今後、総合格闘技「UFC」などについても商品開発していく姿勢を示唆した。
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BlockFi
また仮想通貨レンディング大手BlockFiも、3月に3億5,000万ドル(約383億円)の資金調達を完了した。これにより「仮想通貨に対する魅力的な利回り」「ステーブルコインを含めた仮想通貨の売買」「仮想通貨によって担保された米ドルローン」などのサービスを強化していくと発表している。
Blockchain.com
仮想通貨ウォレット企業Blockchain.comは、2月に1億2,000万ドル(約131億円)を調達完了したと発表した。Blockchain.comはウォレットの他に、機関顧客向けに、仮想通貨のカストディやレンディングなどのサービス一式を提供するプラットフォームも展開している。
Blockchain.comによると、仮想通貨ウォレットが引き続き中核事業であるが、機関顧客向け事業も飛躍的に成長しているところだという。
NYDIG
ビットコインの投資ソリューションなどを提供するNYDIGは、今年に入ってからすでに数回資金調達完了を報告。ビットコインで支払いできる保険商品など、保険業界とビットコインを結び付けるサービスを開発していきたいとしている。
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Fireblocks
企業向けの仮想通貨管理インフラを展開するFireblocksは3月に、1億3,300万ドル(約146億円)の調達を発表。金融機関やフィンテックにさらにサービスを提供していきたいと述べた。