ゴールドマン・サックス、債券関連取引でJPモルガンの独自ブロックチェーンを活用
ゴールドマンサックス、JPモルガンのブロックチェーン利用
ゴールドマンサックスが、JPモルガンのブロックチェーンプラットフォームOnyx(オニキス)を利用した取引を行っていたことが分かった。ブルームバーグが報じた。
6月17日にブロックチェーンを基盤としたレポ市場で取引が行われた際、米国の長期国債をトークン化し、ステーブルコインのJPMCoinと交換する形で行われたという。
JPMCoinはJPモルガンが開発・内部使用する米ドルペッグのステーブルコイン。なお、今回の取引額については明らかにされていない。
レポ取引とは債券貸借取引を指し、レポ取引において借り手は期日により高い値段で債券を買い戻すことを条件として債券を売り、資金を調達することが出来るもの。
利用される債券は国債や政府機関債などで、レポ市場は短期金融市場に属する。JPモルガンのブロックチェーンを基板としたレポ市場は、日中(イントラデイ)の取引に注力しているという
ゴールドマンのグローバルマーケット部門デジタル資産グローバル責任者、Mathew McDermott氏は次のようにブルームバーグに語った。
私たちは1分ごとに利息を支払っている。これはイントラデイ(日計り)市場の性質を変えると確信している。
取引完了に要した時間は3時間5分だった。正確な時間を把握出来たことが大きな進歩だとしている。
分散型台帳技術 (ぶんさんがただいちょうぎじゅつ)
分散型台帳技術(Decentralized Ledger Technology) はDLTとも呼ばれ、非中央集権)」な台帳技術(Ledger Technology)全般を指す。
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JPモルガンのオニキスプラットフォームとは
JPモルガンが独自のブロックチェーンプラットフォーム、Onyx(オニキス)でレポ取引市場を開発したと発表したのは昨年の12月だ。
バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)が第三者として関与し、既に取引を重ねてきた。ブルームバーグによると、取引量は1日当たり10億ドル(1,100億円)以上という。
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一方で競合も存在しており、金融インフラプロバイダーのブロードリッジは、同じくブロックチェーンを利用したレポ取引プラットフォームを手掛けている。
ブロードリッジは6月14日、分散型台帳技術(DLT)レポプラットフォーム(DLR)をローンチしたと発表した。
DLRではレポ取引における合意から決済までを一貫して行うことが可能で、スマートコントラクトによって所有権を移動させる。
これによって運用コストやあらゆるレポ取引におけるリスクを削減することが期待できる。既に取引に使用されており、ローンチから一週間でDLRは、一日当たり平均310億ドル(約3,400億円)の取引量を記録しているという。
また、DLRは米デル(Dell)の傘下VMwareが開発したVMwareブロックチェーンを使用している。
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