エルサルバドル、全国民に30ドル相当のビットコインを無料配布へ
世界初のビットコイン法、9月7日に施行
中米エルサルバドルのブケレ大統領は24日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の法定通貨化について演説。ビットコイン法の施行時期を発表したほか、国民にウォレットを無償で提供し、30ドル(約3,300円)分のBTCを配布する方針を明かした。
エルサルバドルでは6月9日、世界で初めてビットコインを法定通貨とするビットコイン法(Ley Bitcoin)が84票中賛成63で可決。既存の法定通貨である米ドルとともに、ビットコインを法定通貨として採用することとなっていた。
法案可決から90日以内に施行することは決定されていたが、今回ブケレ大統領の演説で改めて正式にビットコイン法が9月7日からの施行すると表明。一部ではビットコインの利用を巡り、国民からは混乱の声も挙げられていたため、米ドルの立ち位置は変わらないと再度述べた。
BTC利用は任意
また、ブケレ大統領は「ビットコインの利用および投資は任意であり、政府から仮想通貨の保有を強制されることはない」と説明した。
ビットコインの使用はあくまで任意だ。現金での取引は今まで通りすべてドルで行われる。全国の店舗では、ドルまたはビットコインで支払うことができ、どちらの通貨を使用するかは客側が選択できる。
ビットコイン法の7条には「ビットコインを支払い手段として受け入れなければならない」とする項目があり、こちらも一部の国民からは懸念の声が挙がっていた経緯があった。
ビットコイン法の8条と12条には以下の通り、記載されている。
8条
国は、ユーザーがビットコインで取引を行い、希望すればビットコインから米ドルに自動的かつ即時に交換できる代替手段を提供しなければならない。さらに、国は、国民がビットコイン取引にアクセスできるよう、必要なトレーニングとメカニズムを提供しなければならない。
12条
明らかな事実として、ビットコインでの取引を可能にする技術にアクセスできない人々は、この法律の第7条で表明された義務から除外される。
ビットコインの無料配布
さらに、ブケレ大統領は9月から(1)国民に無償で仮想通貨ウォレット「Chivo」を提供し、(2)30ドル(約3,300円)分のビットコインを配布する事を発表。演説中にウォレットの使い方を説明し、受け取ったドル・ビットコインをBTC、または米ドルへ変換できる機能があると述べた。
Chivoアプリはスペイン語のスラングで「クール」という意味があり、以下のような機能を持つ。
- QRコードで支払い・受け取り
- USD⇄BTCの変換機能
- 手数料無しでビットコインを購入可能
ウォレットアプリは電波に接続できなくても利用可能となっている。
また、ブケレ大統領は国民に30ドル分のビットコインを配布し、国民が法定通貨としてのビットコイン利用を促すことで、経済的な成長に貢献して欲しいと説明した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します