3万ドル死守のビットコイン再び反発、「難易度調整」は史上初の-21%に達する可能性
ビットコイン相場と金融マーケット
週明け28日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン価格は、前日比+3.68%の380万円(34,420ドル)と反発した。
Glassnodeのデータによれば、1日あたりの実現利益/損失は、26日の下落で-34.5億ドルに達した。
20年3月のコロナ・ショック時の暴落を大幅に上回る水準だが、Willy Woo(@woonomic)氏はこの点について、「市場全体の時価総額に比例して膨らんだ」と述べた。
直近の下落相場では、米FOMCを経て連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派発言による金融市場の動揺のほか、中国におけるビットコインマイナーへの規制の影響が影響していた。
CME先物メジャーSQを控えた25日(金)には売り圧力が強まり急落したものの、3万ドルの節目で買い戻しが優勢となり、その後反発した。
なお、5月3日に提供開始したCMEのビットコインマイクロ先物契約が順調に拡大している。現物取引のヘッジとして機関投資家、及び個人投資家需要が拡大しており、契約数はすでに100万件を超えた。マイクロ先物は0.1BTCからの投資が可能で、通常のビットコイン先物の最小ロット5BTCを大幅に下回ることが間口が広がった。
エルサルバドルは25日、国民1人あたり30ドル相当のビットコインを配布することを発表した。ビットコインの法定通貨化法案が可決した同国では、9月7日に法が施行・正式採用される。
DailyHodlが報じたところによると、今回の金融政策にあたり、人口450万人とされる同国で1.35億ドル(約150億円)相当のビットコインが購入される見通しだ。
関連:エルサルバドル、全国民に30ドル相当のビットコインを無料配布へ
中国情勢
ビットコインのハッシュレート(採掘速度)は、前日比-26.5%の73.346 EH/sまで続落した。
背景には、中国共産党創立100周年を前に当局による仮想通貨(暗号資産)関連企業への締め付けが本格化しており、新疆ウイグル自治区や四川省などを中心とした大手マイニングファームが相次いで稼働停止したことがある。大規模設備は、米国、カザフスタン、アフリカ諸国などに海外移転している模様だ。
金融コンサルチーム21stParadigmのDylan LeClair(@BTCization)によれば、ビットコインの次期難易度調整(ディフィカルティ)は、史上初の-21%を記録する可能性が生じている。
同氏によれば、多くの中国マイナーが中国からの移動コストを賄うため保有ビットコインを市場売却しており、これが直近の売り圧力となっていた節もある。 ビットコインの難易度調整は約2週間に1回行われ、前回は過去3番目のマイナス幅となる-15.97%低下した。
前回の調整日である6月14日以降、ビットコインネットワークの平均ブロック生成間隔は約12.9分となっており、通常の約10分間隔と比較して約30%遅延していた。ハッシュレート回復は物理的にもすぐには難しいとの見解がある一方、「海外移転・再稼働のため」と原因がはっきりしている以上、次第に落ち着いてくるものと考えられる。
悲観的な見通しも
JPモルガンのアナリストは投資家向けレターで、ここ最近のビットコインの弱気相場は、主だった機関投資家の資金流入が弱まっていると指摘。 中期的な適正価格は23,000ドル〜35,000ドルにあるとの予測を示した。ビットコインと金のボラティリティ(価格変動率)比率から推定されるという。
関連:JPモルガン「ビットコインの弱気相場は継続」 機関投資家の買い意欲の薄さを指摘
InTheMoneyStocks.comのチーフマーケットストラテジストであるGareth Soloway氏は、次のビットコイン強気相場が始まる前に「2万ドル」未満まで下がるとの悲観予想を示した。
現相場は29,000ドル〜42,000ドルのレンジにあり、割り込めば2万ドル水準も視野に入るなど不安定な足場にあることは否めない。弱気相場を鮮明にする中、日足移動平均線のデッドクロスなど典型的な売りシグナルが出ているが、直近では複数の反転シグナルも散見されており、売り圧力は一服しつつあるように見受けられる。
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