はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン採掘レートの続落、影響と今後のポイント

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン採掘レートの続落

仮想通貨(暗号資産)で最もネットワーク規模が大きいビットコインの採掘ハッシュレートが、直近1年間で最も低い水準に達している。

政府のマイニング取り締まり強化を受け、実質的なマイニング活動が絶たれる状況にある中国の影響が主な要因だ。最高値の140 EH/sから一時88 EH/sまで達し、減少幅はグローバルハッシュレート値の5割と分析されていたハッシュレート値に近い水準となった。

ハッシュレート

日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。

▶️仮想通貨用語集

影響が出ているのがビットコインのブロック生成で、1日に144ブロック生成されるブロック生成状況が一時約半数に遅延する79ブロックの遅延も確認された。1日のブロックの生成の遅延データとしては、今回が初めての事例となるという。

ビットコインネットワークはこのようなマイナーの撤退による影響などの影響を受けた状況の正常化を行う仕組みとして、難易度調整が約2週間に1回実施される。2週間の基準は正常時の1ブロック=10分から難易度調整タイミングとして規定された2016ブロックを掛け合わせた値。今回は約5日後の7月3日前後に予定されているが、ブロックの生成が遅れるほど、後ろ倒しになる可能性が高まる。

警戒される死のスパイラルはない?

マイニングハッシュレートの低下とビットコイン価格の下落が連鎖する「デススパイラス」が起きた18年末の状況と今回の事例を重ねる見方もあるが、根本的に背景が異なるハッシュレートの下落である点に注意したい。

18年末の当時、17年バブルのビットコイン価格高騰に伴い、中小規模の新規マイニング事業者が市場に大きく流入し、その後の価格の下落と低迷相場を受け、採算が取れなくなったことで事業の撤退が相次いだ。

デススパイラルと言われた理由は、ビットコイン価格の下落で損益分岐点を割るマイナーが続出し、撤退。採掘等で溜め込んでいたビットコインの売却とポジションの整理などに繋がり、さらに価格が下落する負の連鎖が続いたことにある。

一方で今回の例を見ると、主な理由は中国というカントリーリスクに起因したもので、根本的なマイナーの撤退とは異なる。中国では世界的なマイニング産業が存在した地域であり、国外移転も視野に事業を継続する動きも多く報告される。

ビットコインの価格自体も最高値約700万円から半値水準まで下落したものの、2021年の年初と同水準と警戒される価格とまでは至っていない可能性が高い。

今後は?

この点を踏まえても、今後の警戒すべきポイントは、採算ラインに関わるビットコイン価格の続落だ。

ネットワーク自体は、1週間前後で調整される難易度調整を経て正常化されると、中国マイナーを除く既存のマイナーにとっては収益が大幅増となる可能性が高く、より魅力的なネットワークになり、再び復調傾向に移行することが予想される。

中国政府の取り締まりの影響を受けたマイナーの移転も動き出しており、アメリカやカナダなどのカントリーリスクや電力代等で優位にある地域がより現実的な候補地に挙がっている。マイアミ市長のフランシス・スアレス氏は6月初め、中国系マイナーの受け入れを歓迎する意向も示している。

今回の事例にコメントしたビットコイン大口保有の上場企業で知られるMicroStrategyのMichael Saylor CEOはBloomberg Technologyで、「中国のビットコインハッシュレートシェアを50%で、年間平均100%の成長率かつ100億ドルを生み出す産業を有していた」とコメントし、その判断の将来的な影響を指摘している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/14 木曜日
09:33
ノルウェー政府系ファンド、ビットコイン間接保有量が7161BTCに増加
K33のリサーチ部門のトップは、ノルウェーの政府系ファンドNBIMが2025年6月末時点で間接的に仮想通貨ビットコインを7,161BTC保有していると公表。この保有量は過去最大数量だと説明した。
09:27
仮想通貨取引所Bullish、NYSEに上場
仮想通貨取引所Bullishがニューヨーク証券取引所に上場した。IPO価格が37ドルだったのに対し、株価は一時118ドルまで上がり、終値は68ドルだった。
09:10
米利下げ期待とステーブルコイン規制でビットコイン最高値、イーサリアム主導の上昇続く |仮想NISHI
BTC史上最高値更新の背景を解説。米雇用統計悪化とCPI結果を受けた利下げ期待、GENIUS法成立によるステーブルコイン規制明確化がイーサリアム上昇をけん引。オプション市場で14万ドルコール増加、年末上昇期待が高まる。
08:40
グレースケール、カルダノ・ヘデラETF法定信託をデラウェア州に登録 
米大手運用会社グレースケールがカルダノ・ヘデラETFの法定信託をデラウェア州で登録。米SEC申請に向けた動きとして注目を集める。
08/13 水曜日
18:30
ステーブルコイン「USDC」の買い方と特徴|SBI VCトレードでの購入方法を解説
USDCとは何か、SBI VCトレードでの購入方法、海外送金やDeFi運用など多彩な使い道をわかりやすく解説。日本国内での普及動向も紹介します。
18:27
メタプラネットが決算発表、ビットコイントレジャリー事業主軸の決算で大幅増益
メタプラネット(3350)がビットコイン事業主軸の決算で大幅増益となった。Q2売上の91%をBTC事業が占め、保有量は前年末比7.5倍の18,113BTCに拡大。アジア最大のビットコイントレジャリー企業として地位確立した。
18:10
仮想通貨OKB 『X Layer』中心の成長戦略を発表 前日比120%急騰 
OKXが仮想通貨OKBの総発行量を2100万枚に固定し、約2割を一括バーン。X Layer強化やPPアップグレードも実施。
17:12
SNPITが人気アニメ「進撃の巨人」とコラボ 特設サイト公開へ
NFTカメラアプリ「SNPIT」が人気アニメ「進撃の巨人」とコラボ。写真撮影で仮想通貨を稼ぐ「Snap to Earn」機能と限定スキンガチャ、10日連続ログイン特典を実装した。
15:09
スイ(Sui)関連銘柄DEEP・WAL、グレースケール投資信託に初採用
グレースケールが仮想通貨Sui(スイ)エコシステム初の投資信託を発表。DeepBookとWalrusの2プロジェクトへの投資機会を機関投資家に提供開始。
14:30
マイケル・セイラー、アルトコイン財務企業隆盛でもBTCへ一点集中貫く、その理由とは
米ストラテジー社のマイケル・セイラー会長がアルトコイン財務企業の台頭にも関わらず、ビットコイン一点集中を貫く理由を解説する。
13:50
最新版ビットコイン価格予測モデル、6年以内1000万ドル到達の可能性75%
経済学者ラッド氏の最新研究により、仮想通貨ビットコインが2036年までに481万ドルを超える確率が75%と判明。供給制約と需要増加が価格急騰要因。
11:55
パンテラ、仮想通貨トレジャリー企業に440億円規模を投資
パンテラキャピタルが仮想通貨をバランスシートに蓄積するトレジャリー企業に440億円超を投資。イーサリアムを保有するビットマインを具体例として価値創造を解説している。
11:30
米上場コスモスヘルス、仮想通貨トレジャリー戦略で初回100万ドルETH購入を実行
多角的ヘルスケア企業コスモスヘルスが、最大3億ドルの資金調達により仮想通貨イーサリアムの購入を開始。長期株主価値向上を目指す。
10:35
イーサリアム現物ETF、初めて1日の純流入額が10億ドル超え
仮想通貨イーサリアムの現物ETFは11日、2024年7月23日の上場以来、初めて1日の純流入額が10億ドルを超えた。有識者がイーサリアムの需要の高まりの要因を分析している。
10:15
コインベース、ステーブルコイン基金を6年ぶりに再開 AaveなどDeFiに資金提供へ
仮想通貨取引所コインベースが約6年ぶりにステーブルコイン基金を再開した。AaveやMorphoなどDeFiプロトコルの流動性向上を目指し、資金提供を行う。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧