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クジラの大量送金で1700万円台へ下落、米政策レポート30日公開に注目|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は1750万年絡みでの推移が続いたが、25日の東京時間から下落に転じ、正午時点で1700万円を窺う展開となっている。

アルトコインへの買いが入るなか、週明けのBTC円は1750万円を回復するも、海外時間にはトランプ政権がEUに対して最大で20%の関税を課す可能性が浮上した他、アルトの上昇が早くも失速し、1720万円台まで反落した。

翌22日にはアルトの物色一巡後に買い戻しが入ると、米金利の低下も相場の支援となり1750万円を再び回復したが、その後はジリ安に転じ、上値を重くした。

週央からは米・EUの関税協議の行方を楽観した米国株相場の上昇に下を支えられるも、25日未明にクジラのBTCに動きがあったと伝わると徐々に下げ足を速め、東京時間に入ると1700万円を窺う展開となっている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

25日に動いたクジラは14年以上もの間塩漬けにした3962BTC(約675億円)を新しいアドレスに移動させた。今月4日は月初にも別のアドレスで1兆円規模のアドレス刷新に伴うクジラの送金があった他、15日にも9000BTC(約1530億円)がクジラからギャラクシー・デジタルに送金されており、所謂「サトシ時代」のBTCの動きが活発化している。

こうしたクジラによるBTC送金が市場の売り圧力懸念を強めている可能性があるが、4日のクジラによる送金のように、25日のクジラの送金もレガシーアドレス(「1」から始まるアドレス)からsegwit対応のBeck32形式のアドレスへの送金となっており、単なるアドレスアップデートの可能性もなくはない。

また、現物ビットコインETFへの平均日次流入額は210億円となっており、3営業日もあれば3962BTCの売り圧力はほぼ吸収される試算となる。よって、足元の売り圧力は一時的な影響にとどまるだろう。

他方、今週は米暗号資産(仮想通貨)政策レポートの提出期限を22日に迎え、デジタル資産諮問委員会のハインズ事務局長から30日のレポート公開が伝えられた。30日は米連邦公開市場委員会(FOMC)最終日と重なっており、政権としては売り材料がでる可能性があるタイミングでレポートを発表したかった格好か。

レポートの焦点としては、先週も指摘の通り、戦略的ビットコイン備蓄の今後の運用方針といえ、追加購入方法について触れられていれば相場にとって追い風となろう。

FOMCでは政策金利の据え置きがほぼ完全に織り込まれており、焦点としては6月の雇用統計をFRB当局者がどう評価しているかとみている。6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を上回る+14.7万人となっていたが、内訳を見るとその約半数は政府職員となっており、プライベートセクターの雇用者増加数は急減している。

その他にも、米国の失業保険申請件数は新規の申請が低下している一方で継続申請件数は3年ぶりの高水準で推移し、前年比の平均時給の伸びは鈍化傾向にあり、一見すると堅調そうに見える労働市場からは不安定さが垣間見える。

仮に、FRBがこうした労働市場の翳りに懸念を示せば、政策緩和期待がBTC相場の支援材料となるだろう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

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