仮想通貨取引所FTX、レバレッジ上限を20倍に引き下げ

FTXがレバレッジ上限を引き下げ

大手グローバル暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは25日、高レバレッジの取引を廃止することを発表した。これまでは最大で、証拠金の101倍まで取引を行うことができたが、今後この上限が20倍までに引き下げられる。

レバレッジ

手持ち資金(取引証拠金)に倍率をかけて取引すること。倍率をかける分、損切りや強制ロスカットされた時のリスクが高くなる。

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FTXのSam Bankman-Fried CEO(通称、SBF)は一連のツイートでこの方針について説明した。

SBF氏は「最近20倍を超えるレバレッジが問題視されている」が、そうした取引は「FTXにおける取引高とポジションの1%未満で、ボラティリティ(価格変動)を引き起こす大きな要因でもない」と述べる。しかし同時に、高レバレッジ取引がいつも健全なものであるとはいえないとして、次のようにツイートした。

FTXで使用されるレバレッジの平均倍率は約2倍だ。高レバレッジについての議論の多くは的外れだとも思う。けれど同時に、それ(高レバレッジ取引)は仮想通貨エコシステムの重要な部分ではなく、健全ではないこともある。

そこで何度も考えた結果、業界がしばらく前から向かっている方向に私達も踏み出すことを決めた。今日(7月25日)からFTXでの高レバレッジ取引を撤廃する。(新たな)上限は20倍となる。

FTXは先週、約1,000億円を調達したばかりで、今後は米国をはじめとするグローバル市場での事業拡大も視野に入れている。これを念頭に、各国の規制当局との関係性においても事業を円滑に進めるための動きと捉える見方もある。

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米議員からSECへの質問状

米国では、一部の議員から仮想通貨業界に対する規制強化を求める声が高まっている。

民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は7月7日、米証券取引委員会(SEC)委員長宛てに仮想通貨業界の適切な規制を求める書簡を提出。

ウォーレン議員は「仮想通貨への需要が急増している」が、適切な規制がないために消費者や投資家を詐欺などの危険にさらし「金融市場の安全性を損なっている」と訴えていた。また、SEC委員長への書簡に様々な質問事項を盛り込んでおり、7月28日までに回答するよう求めた。

質問内容としては「仮想通貨の特性」や、「その特性を踏まえた消費者保護強化の必要性」「SECが仮想通貨取引所を規制する上での権限範囲」などがある。また、バイナンスのようなグローバル取引所を規制するための国際的取り組みの必要性についても言及した。

バイナンスも同じ対応

その後、26日には大手仮想通貨取引所バイナンスのCEOであるCZ氏(本名:Changpeng Zhao)も先物取引における新規ユーザーのレバレッジを最大20倍まで引き下げていたことを表明。7月19日からこの対応をとっていたことを明かしており、今後数週間をかけて現存ユーザーにも同じ対応をとる方針を発表した。

バイナンスは5月末、BTC/USDTの取引ペアにおいて最大レバレッジを125倍に定めていたが、6月下旬から各国の規制機関が相次いでバイナンスに警告を発令。アメリカ、カナダ、イギリス、日本、香港、イタリア、ケイマン諸島などの金融規制当局から厳しい対応が目立つ。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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