WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン先物のレバレッジとヘッジ売りのメリットを解説 寄稿:元プロップトレーダー「つきらいん」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

先物を使うメリット

先物(金、原油)の元プロップトレーダー「つきらいん」寄稿。本稿では、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの先物取引を利用するメリットについて解説。

1) レバレッジ

先物取引を利用するメリットの一つとして、証拠金を担保として預け入れることで手持ち資金以上の金額の取引ができることが挙げられます。CMEでは、BTC先物は約6万ドルの証拠金で5BTC、MBTCは約1200ドルの証拠金で0.1BTCの取引が可能です(6月末時点)。

レバレッジ取引に必要な証拠金の額は、取引の種類(デイトレード否か等)や直近の相場動向(値動きの大きさ等)によって変動しますが、預入証拠金に対して概ね3倍弱程度のレバレッジ取引が可能となっています。

この3倍弱のレバレッジですが、E-mini S&P500株価指数先物では、預入証拠金に対して18程度のレバレッジ取引をできるのと比較するとBTC先物のレバレッジは小さく見えます。

この取引レバレッジの違いは潜在的な日々の値動きの違いを反映した結果です。直近のインプライドボラティリティ(予想変動率)は、S&P500が20%以下であるのに対し、BTCは100%を超えており、5倍超の違いがあります。過去の値動き(2021年初か6月末までのヒストリカルボラティリティ)で見ても、

S&P500株価指数やGOLDと比較して、BTCやETHは5-10倍程度日々の上下動が大きい傾向が見受けられます。

30日ヒストリカルボラティリティ(GOLD,S&P500,BTC,ETH)

日々の値動きが十分大きく、予想と反対方向に動いた場合に損失が大きくなることを考えると、BTCやETHなどの暗号資産に中長期的な投資を行う場合、あえてレバレッジをかけて先物取引する必要は特にないように思えます。むしろ、リスクを軽減する手段の一つとして先物取引をする余地の方が大きいと個人的には思います。

2)ヘッジ売り

先物取引を利用するメリットのもう一つは、売り建てから入る取引ができることがあります。

例えば、BTCやETH等の暗号資産現物を保有する投資家がそれらを貸し出すなどして利回りを得られる状況で、利回りは享受したいが現物保有の価格変動リスクはあまりとりたくないといった場合に売り建てから入る先物取引が有効になる場合があります。

現物保有額の半分、もしくは3分の2程度を先物市場で売り建てしておく事で、現物価格の変動リスクを全体として減らすことが可能になります。

その場合、将来予測不能なファンディングレート(資金調達率)が発生する無期限先物ではなく、定期先物市場において、先物価格が現物価格より高い「コンタンゴ」の状態下で先物売りヘッジを行うとより効率的な運用になる余地があります。この場合、取引所内では現物のポジションと先物ポジションの評価額は分けて管理されているので、証拠金は多めに積んでおく必要がある他、必要に応じて現物と先物のポジション量を組み替える必要があるところが難点かもしれません。

このほか、売り建てから入る先物取引を単独で使って、価格の値下がり時に積極的に収益を獲得しに行くことも可能ですが、一般的には非常に高いリスクに対して見合ったリターンがとれる取引のようには思えないので割愛します。

現物か先物か

暗号資産の現物を保有するメリットは、貸し出しなどで「利回り」を得られる機会があること。デメリットは、盗難・紛失のリスクが挙げられます。

中・長期的な視点で暗号資産に投資する場合は、投資対象銘柄や取引所を十分に吟味したうえで現物保有することが良いのではと思います。一方、先物などのデリバティブ取引を利用することで、単純に原資産を保有するのに対して、自分の志向や許容範囲により適合した投資が可能となることも確かです。その場合においても、取引内容や仕組みを十分理解した上で行うことが必要不可欠です。

先物市場の役割

暗号資産の日々の活発な取引(流動性)は、今後先物市場に移行していくことが予想されます。

GOLDや原油の市場では、日々の金融取引の大部分が先物市場で行われており、指標価格の役割も先物価格になっています。暗号資産においても先物市場で取引される価格が今後指標価格として重要になってくることを考えると、実際に取引するかどうかに関わらず、先物市場の仕組みなどを理解しておくことは投資の手助けになることと思います。

寄稿者:つきらいん
先物(金、原油)の元プロップトレーダー。現在は日本の限界集落に居住し、年間330日農業に従事する専業農家。 現在のリサーチテーマは「ブロックチェーン技術と暗号通貨が、既存の社会経済の仕組みと金融市場をどのように変容させていくか」。趣味はウクレレとリサーチ。
Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11:55
シティ、トークン化預金サービスを日本とUAEに拡大 米ドル24時間決済
米シティグループは29日、トークン化預金を用いた法人向け決済サービス「シティ・トークン・サービス」を日本とUAEへ拡大したと発表した。許可型ブロックチェーン上で24時間365日の資金移動を可能にし、展開先は計7市場となる。
11:45
チェーンリンクの新標準『CCIP2.0』始動、トークン化資産の移転を高速化
チェーンリンクは28日、相互運用プロトコルの大型アップグレード版「CCIP2.0」の稼働開始を発表した。検証機能の追加やコンプライアンス対応の強化により、機関投資家のトークン化資産移転を後押しする狙いだ。
11:00
コインベース、トークン化TCG市場に参入
コインベースは29日、実物のトレーディングカードをトークン化して扱う新サービスを近く提供すると発表した。保管か現物発送を選べる仕組みで、拡大するトークン化TCG市場への参入として投資家の関心を集めている。
10:15
アポロ、AIエージェントで銀行取り付け騒ぎに警鐘
米資産運用大手アポロのチーフエコノミストは、AIエージェントによる家計預金の自動移動が銀行の低コスト預金を減らし、金融システムに影響し得ると警鐘を鳴らした。投資家には預金流出リスクへの目配りが求められる。
09:42
ハッキング受けたビットゲット、出金を段階的に再開|セキュリティを強化
仮想通貨取引所ビットゲットが不正流出被害後、出金を段階的に再開している。攻撃経路の特定やセキュリティ強化策についても報告した。
08:25
Japan Smart Chainが改称、ステーブルコイン決済インフラ事業へ転換
AltX Research株式会社は「Japan Smart Chain」をMIZUHIKIに改称し、ステーブルコイン決済インフラ事業へ転換すると発表した。メインネットも公開し、複数自治体で給付金基盤のPOCが決定した。
08:10
シティとコインベース、決済事業で協業拡大
金融大手シティと仮想通貨取引所コインベースは、決済事業の協業拡大を発表。ステーブルコインと法定通貨の両替を自動化する機能を提供することなどを説明した。
08:05
Bybit、フランクリン発行のトークン化ファンドを機関担保資産に採用
バイビットとフランクリン・テンプルトンが戦略的提携を発表した。機関投資家はフランクリン発行のトークン化ファンド株式をBybitの取引担保資産として活用できるようになる。
06:55
デファイ・デベロップメント、ソラナ保有量254万に到達 6週で約10%増加
デファイ・デベロップメントは9月28日、仮想通貨ソラナ保有量が253万8010SOLに達したと発表した。8月12日の決算発表以降、6週間で約10%増加している。
06:40
老舗ブロックチェーンドットコム、IPOで5億ドル調達検討
仮想通貨大手ブロックチェーンドットコムが新規株式公開(IPO)を検討しており、5億ドルの調達を目指す。評価額は40億〜60億ドルとされ、ビットコイン相場の回復を背景に上場機運が再び高まった。
06:20
国税庁の新システム『KSK2』稼働、AI分析で仮想通貨の申告漏れ把握へ
国税庁の次世代システム『KSK2』が稼働を開始し、仮想通貨取引データもAI分析の対象に含まれやすくなった。投資家は年間取引報告書の管理と正確な申告が一段と重要になる。
05:50
ゴールドマン・サックス、1000億ドル規模の国債ファンドを仮想通貨決済網に開放
金融大手ゴールドマン・サックスの国債ファンド「FTIXX」が仮想通貨決済網Lynqで提供開始。SEC登録のtZEROが取引を担い、機関投資家は現金を効率的に運用できるようになる。
05:30
ビットマイン、イーサリアム保有数600万ETH突破
ビットマインの保有イーサリアムが600万ETHを突破。直近1週間で1万7,362ETHを購入し、供給量5%目標への進捗は98%に到達している。
09/28 月曜日
21:15
ストラテジー、224億円相当ビットコインを追加購入 二週連続で実施
ストラテジーが9月21日から27日に1665BTCの仮想通貨ビットコインを追加取得し、保有量は847666BTCとなった。同時にSTRC優先株の買い戻しも実施した。
16:05
ビットコイン需要、17.1万BTCのマイナス 価格上昇と乖離=アナリスト
CryptoQuantのアナリスト、ダークフォスト氏は28日、ビットコインの総需要推計が30日間の合計でマイナス17.1万BTCまで悪化したと指摘した。価格が15日間で8.4万ドルまで上昇するなか、先物需要は3,000BTCに縮小した。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧