イーサリアムのブロックチェーンで分岐が発生 クライアントのアップデート遅延が原因
イーサリアムで分岐が発生
暗号資産(仮想通貨)イーサリアムのメインネットでは、チェーンが分岐したことが分かった。
イーサリアムのクライアント「Go Ethereum(Geth)」でバグが見つかり、バグを修正した新しいバージョンをリリースしたが、アップデートをしなかったノードがいたためにチェーンが分岐したという。ネットワークへの影響は、ほとんどないと見られている。
クライアントとは
イーサリアムのクライアントとは、イーサリアムの仕様を実装し、P2Pネットワークを介して通信できるようにするためのソフトウェア。
ノードはクライアントを利用することで、マイニング等ができるようになる。Geth以外にも複数のクライアントが利用できるようになっているが、相互運用が可能。
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Gethの公式ツイッターアカウントを時系列で見ると、12日にソフトウェアの「Geth v1.10.7」をリリースしていた。その後、19日に「セキュリティ上、極めて深刻な問題が確認されたため、24日に新たなバージョンをリリースする」と予告。その際、「Geth v1.10.8」へアップデートするための準備を呼びかけ、24日には予定通り新しいバージョンをリリースしている。
イーサリアムのコア開発者Tim Beiko氏は、仮想通貨メディア『Decrypt』に対し、今回の件について以下のように説明した。
今回のバグは、チェーンの分岐を引き起こしたという点で深刻だ。
しかし、クライアントのアップグレードがかなり進んでいるため、イーサリアムのメインネットへの影響ほとんどないだろう。
Gethはイーサリアムのメインネットで、最も利用されているクライアント。「Ethernodes.org」のデータによると、全体の74%超がGethを利用している。
なお、Gethのアップデートが進まないことで、イーサリアムのチェーンが分岐する事例は過去にも発生。その大きな原因は、アップデートの要請がうまく伝わらなったことだという。
イーサリアムのチームリードPéter Szilágyi氏は「前回は我々がアップデートのアナウンスをしなかったと指摘する人々がいた」とツイート。今回はやり方を変えてアナウンスすると19日にあらかじめ説明していた。
Gethのツイッターアカウントでは27日にも、バグの問題は解決していることを報告し、ソフトウェアをアップデートするよう呼びかけている。
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