イーサリアムL2ソリューション「Arbitrum」、超高速版のNitroを発表
より高速の「Arbitrum Nitro」
仮想通貨イーサリアム(ETH)のレイヤー2ソリューション「Arbitrum(アービトラム)」は12日、桁違いに高速とするネットワーク「Arbitrum Nitro」の開発に取り組んでいることを明かした。
Arbitrumは、現在NFT(非代替性トークン)やDeFiの利用増加によって高騰するイーサリアムのネットワーク手数料(ガス代)と低下するネットワークの処理速度を改善するために開発されたレイヤー2技術で、8月に「Arbitrum One」という第一号のメインネットが正式にローンチされた。
Arbitrum Oneは極めて低い手数料と圧倒的な処理速度をユーザーに好まれており、運用のためにロックされた仮想通貨の総価値であるTVL(Total Value Locked)はローンチ後42日で、2,100億円と記録された。
今回、明かしたのは、新バージョンのネットワーク「Arbitrum Nitro」というもので、WASMとGethをもとに構築されている。WASM(WebAssembly)とは、ウェブブラウザーで動作し新たな機能と大幅なパフォーマンス向上を提供する新種コードで、Geth(ETHのクライアントソフト)と併用することで、イーサリアムの仮想マシンへ(EVM)の互換性がさらに改善されるという。
Arbitrumの開発チームは、Nitroの改善点として、①処理速度が20〜50倍に、②手数料が格段に安くなることの2点を挙げている。
また、Gethは最も利用されているETHクライアントであるため、GethのコアコードをNitroに組み入れることで開発者により改善された互換性を提供することができるとしている。
メインネットローンチについて、チームは「タイムラインについては今後数週間以内に順を追って発表していく」と説明。まずはスタンドアローンのテストネットを起動し、そしてArbitrum Rinkebyのテストネットで実装、最終的にはArbitrum Oneでアップグレードするという順で進めていく。
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