メタバース関連企業Animoca、ゲーマー向け金融サービス会社を設立

AnimocaとHex Trustが合同会社立ち上げ

ブロックチェーンゲーム、メタバース関連企業のAnimoca Brandsは25日、香港の暗号資産(仮想通貨)カストディ企業Hex Trustと提携し、オンラインゲーマー向けのデジタル資産ウォレットや金融サービスを提供するための合弁会社を設立したと発表した。

公式発表によると、現在、ブロックチェーンゲーム業界が直面している最も大きな問題の一つは、ユーザーがゲームで得た仮想通貨トークンを便利で安全な場所に保管し、金融サービスへのアクセスも提供するオンラインウォレットが不足していることだという。

Hex TrustとAnimoca Brandsはこの課題を解決するために今回合弁会社を立ち上げたという。

Hex Trustは、法的順守を重視し、香港とシンガポールでライセンスを取得している金融機関である。これまでも、銀行などの金融機関に、デジタル資産のカストディサービスを提供し、ブロックチェーンへの導入を支援してきた。

合弁会社では、そのインフラを活用して、Animoca Brandsのエコシステムに参加するゲーマーが、NFT(非代替性トークン)やその他の仮想通貨のための銀行サービスを利用できるようにする。また、デジタル資産ウォレット技術とカストディインフラも提供していく。

Animoca Brandsは、「The Sandbox」、「Arc8」を始め、様々なゲームをリリースしている著名なブロックチェーンゲーム企業。F1やディズニー、ドラえもんなどの知的財産を活かした製品も発売している。さらに、Axie Infinityを開発するSky Mavis、NBA Top Shotなどを提供するDapper Labsなどのゲーム関連企業、NFTのマーケットプレイスOpenSeaなど、100社以上のブロックチェーン企業に投資も行ってきた。

「開かれたメタバースを実現」

Animoca Brandsの共同設立者であるYat Siu氏は、次のように説明した。

Animoca Brandsは、オープンなメタバースを実現するために、新しい資産クラスや、play-to-earn(ゲームで遊んで稼ぐ)の経済システム、より公平な体制の構築を目指している。

Hex Trustとのジョイントベンチャー立ち上げにより、DeFi(分散型金融)や、GameFi(ゲームでお金を稼ぐことのできる仕組み)の世界に初めて足を踏み入れるゲーマーでも、難しさや不安を感じることなく、より幅広い金融機会やサービスにアクセスできるようになる。

メタバースとは

インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。

▶️仮想通貨用語集

公式発表でAnimoca Brandsは、現在注目されている「メタバース」の、入り口となっているのがゲームだと述べた。ブロックチェーンによって可能になった、ゲームをプレイして現実の報酬を得ることができるというモデルに惹かれて、多くの人々が集まってきているという。ゲーム業界は2025年までに2,680億ドル(約31兆円)以上の規模になると推定されているとも指摘した。

急成長中のHex Trust

Animoca Brandsは10月、Hex Trustの1,000万ドル(約11億円)の資金調達ラウンドにも投資し、これを主導している。

Hex Trustは、この資金を、機関グレードの市場インフラと、セキュリティフレームワークをさらに強化することや、NFTにおける主要なカストディアンとして地位を確立することに充てるとした。同社によると、2021年に入ってから、Hex Trusの事業規模は10倍以上に拡大し、現在の預かり資産は20億ドル(約2,300億円)を超えているという。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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