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サッカーチームとコラボのNFTゲームリリースへ、ユニコーン企業Animoca Brandsとヘデラが提携

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Animoca BrandsとヘデラがNFTゲーム開発

ブロックチェーンゲーム「The Sandbox(サンドボックス)」などで知られているゲーム開発企業「Animoca Brand」が、エンタープライズ向けの分散型台帳技術開発に取り組む「ヘデラ・ハッシュグラフ(Hedera Hashgraph、以下ヘデラ)」と提携したことを発表。Animoca Brandsは同時に、ヘデラ上に構築されたインキュベーター・プロジェクト「Helix Accelerator」の買収も公表した。

3社は今後共同で、ヘデラのネイティブ通貨「HBAR」を使用したNFT(非代替性トークン)基盤のサッカーゲーム、およびゲームプラットフォーム「Helix Warp」の開発に取り組んでいくという。

サッカークラブチームをNFT市場へ

今回の提携においてAnimoca Brands、Helixおよびヘデラは、著名サッカークラブチームと提携し、NFT基盤のブロックチェーンゲーム開発を行う予定だ。各チームの知的財産権の使用許可は、Animoca Brandsへ供与されるという。どのサッカーチームが参加するかは、まだ発表されていない。

このゲームでは、ヘデラのネイティブ通貨「HBAR」に裏付けられた、交換可能なNFTが発行される。発行から一定の期間(冷却期間とも呼ばれる)が過ぎたNFTは、そのNFTを裏付けているHBARとの交換が可能で、担保となっているHBARを買い戻すこともできる。

これに加え3社は、公平かつ分散型のゲームエコシステム発展、およびオンラインのマルチプレーヤーゲームで頻発している不正行為防止を目的に、「Helix Warp」と呼ばれる分散型ゲームプラットフォームのローンチも計画している。このプラットフォームでは、サーバー側にシミュレーション環境を構築し、ヘデラの非中央集権型コンセンサス形成サービス「ヘデラ・コンセンサスサービス(HCS)」でゲーム結果を記録することにより、不正問題に取り組んでいくという。

Animoca BrandsがNFT関連でスポーツ分野に参入するのは今回が初ではない。19年にはモータースポーツの最高峰とも言われるFormula 1(F1)の公式ライセンスを取得し、ブロックチェーンゲーム「F1® Delta Time」をリリースした。F1をテーマにしたこのゲームでは、マシンやドライバー、タイヤやエンジンといった、F1に関する全ての要素がNFT化されており、ユーザーはNFTを収集するだけでなく、集めたパーツを使ってレースゲームに参加できる。

今回の提携について、Animoca Brandsの共同設立者兼会長のYat Siu氏は、次のようにコメントをしている。

ヘデラハッシュグラフは、ゲーム、特に大量取引の分野で非常に魅力的な利用方法を提供しており、今回の提携を我々は非常に喜ばしく思います。今回の提携により、数十億ドル規模の問題となっているゲームにおける不正行為などの問題に対処することを含め、Play-to-earnの活動をより効率的に検証することができると信じています。

またヘデラCEO、Mance Harmon氏は、次のように述べた。

Animoca Brandsは世界で最も人気のあるブロックチェーンゲームを開発・運営しています。同社は、ブロックチェーンと分散型台帳技術を活用する主導者として、世界中のファンを魅了する非常に魅力的なエンターテインメント・アプリケーションを提供しています。私たちは Animoca Brands がこれらの新しいプロダクトをヘデラネットワークの上に構築する選択したことを嬉しく思います。

国内外から関心を集めるAnimoca Brands

Animoca Brandsは先日、10億ドル(約1,080億円)の評価額に基づき、88,888,888ドル(約96億7,000万円)の資金調達を完了したことを発表。これにより、未上場でありながら評価額が10億ドル(約1,080億円)を超える、ユニコーン企業の仲間入りを果たした。この資金調達ラウンドには、Kingsway、RIT、Hashkey、Huobi、EllerstonおよびPerennialなどの、著名投資家が多数参加している。

その関心は国内でも高まっており、20年末には、国内大手仮想通貨(暗号資産)取引所コインチェックがAnimoca Brandsとの提携を発表している。この提携は、現在β版として運営されているコインチェックのNFT売買市場「Coincheck NFT」にて、上述のF1® Delta Timeで利用可能なNFTを流通させることを視野に入れたものだという。

関連:コインチェック、「F1」公式ライセンス取得のブロックチェーンゲーム企業Animoca Brandsと連携

関連:コインチェック、NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」を提供開始

コインチェックはまた、21年3月には、Animoca Brandsが運営するブロックチェーンゲーム「The Sandbox」内でNFTとして提供されている仮想の土地「LAND」を購入。LANDの一部は、Coincheck NFTにて販売されている。4月5日に解禁されたLANDの販売だが、初売り分は開始8分で完売している。

関連:コインチェック、ブロックチェーンゲーム「The Sandbox」の仮想土地(NFT)を取得

NFTゲームの基礎となるHCSとHTS

Animoca Brandsおよびヘデラの提携によりローンチされるゲームプロダクトは両方とも、ヘデラの主要サービス「ヘデラ・コンセンサスサービス(HCS)」および「ヘデラ・トークンサービス(HTS)」を土台としている。

HSCとは、主にパーミッション型(許可型)ネットワークやプライベートチェーン、アプリケーションへ、非中央集権的であるヘデラのコンセンサス形成機能をもたらすことができるサービスだ。これにより、HSCを統合したネットワークおよびプロジェクトは、パーミッション型のプライバシーや処理能力を損なうことなく、分散的かつトラストレスなデータの記録が可能になる。

一方のHTSとは、トークン発行サービスだ。このサービスを利用することにより、スマートコントラクトの知識なしでも、ヘデラ上でNFTを含むトークンの発行、管理および送付が可能になる。

処理能力の高さに定評があるヘデラのハッシュグラフを基盤にしたHTSでは、0.01ドル(約1円)以下でトークン送付が行えるという。またトランザクション完了にかかる時間も3〜5秒と、非常に高速な設計となっている。

関連:実利用進むHedera Hashgraph、新たなトークン発行サービス「HTS」の提供を開始

処理能力が高いということは、利便性が高いだけでなく、環境にも配慮した形でトークンを利用できることも意味している。実際、環境に優しいビジネスモデルを掲げ、インフラにヘデラを活用している企業が増加してきている。

関連:環境負荷が少ない分散台帳とは|ヘデラ技術活用企業が調査

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