大手インターディーラーブローカー、欧州で仮想通貨ETPの取扱いを開始

TP ICAP、欧州で仮想通貨ETPを取扱いへ

世界有数のインターディーラーブローカー(IDB)のTP ICAP社は10日、欧州の顧客向けに暗号資産(仮想通貨)関連ETP(上場取引型金融商品)の取扱いを開始したと発表した。

TP ICAP社は英国の大手IDBで、ヘッジファンド、投資銀行、大手金融機関間の取引を仲介している。2019年よりCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン(BTC)先物取引を提供。2021年6月には、Zodia Custodyと連携して、機関投資家向けの仮想通貨取引プラットフォームをローンチする計画も発表した。

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インターディーラーブローカー(IDB)とは

専門の取引業者を介して取引される店頭デリバティブを扱う金融商品専門の仲介業者(ブローカー)。

▶️仮想通貨用語集

公式発表によると、ゴールドマン・サックスのために、すでに最初の仮想通貨関連商品の取引を実行したという。ドイツを拠点とする電子取引所Xetra(クセトラ)上で取引されているETC Group Physical Bitcoinを、CMEのビットコイン先物と交換した形だ。DRW、Flow Traders、Jane Streetなどが流動性を提供した。

なお、ETC Group Physical Bitcoinは、現物ビットコインに裏付けられたETPである。ETC Group Physical BitcoinとCMEビットコイン先物は、両方とも、企業がビットコインを直接購入せず、間接的にビットコインへのエクスポージャー(価格変動への影響を受けること)を得るための投資手段だ。

ETPとは

「Exchange Traded Products(上場取引型金融商品)」の略。規制当局の認可を得た上、証券取引所で取引されるものだ。ETPの価格変動は、株式や金利など金融商品に連動するが、資産の所有権を得ていない。ETF(上場投資信託)、ETN(上場投資証券)、ETC(上場投資コモディティ)などが該当する。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨事業を拡大へ

The Blockによると、TP ICAP社は、仮想通貨事業を拡大していく姿勢を示している。

米国で上場投資信託(ETF)を提供することを検討しており、2022年には、ビットコインのスポット(現物)取引プラットフォームの立ち上げに重点を置くという。外部のカストディアンが商品の清算・決済を行う仕組みになる見込みだ。また、スワップやOTC(店頭取引)オプションなどの、OTCデリバティブも検討中である。

TP ICAP社は、英国の金融規制当局「金融行動監視機構(FCA)」からマネロン・テロ資金調達防止(AML/CFT)関連のライセンスを得ようとしているところだ。

ライセンスを獲得してから、2022年第2四半期にスポット取引を開始することを目指しており、OTCデリバティブも、社内承認と、ユーザーからの要望があるタイミングで、リリースする計画だという。

TP ICAP社のデジタル資産責任者であるSimon Forster氏は、「近い将来、さらに投資商品を追加し、米国の仮想通貨ETFへのアクセスを顧客に提供できるようになることを楽しみにしている」とコメント。また、次のように続けた。

仮想通貨が資産クラスとして成熟し、制度化されつつある中、仮想通貨商品への関心も高まっているところだ。2022年には、こうした商品がさらに成長し、需要が高まると予想している。

TP ICAP社は、2022年には、ビットコインをベースとした先物・オプション商品市場が発展する可能性が高いとの独自見解を示した。ビットコインだけではなく、イーサリアム(ETH)についても、そうした市場が成長する可能性もあるという。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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